(イギリスで、ある少女が「いじめ」が原因で自殺しました。それに関して、COMPUSERVEの子育てフォーラムで質問を書いたところ、世界各国の方々から、返事をもらいました。)
イギリスでも「いじめ」は重大な問題
イギリス/フセイン アクターそのとおり、イギリスでも「いじめ」は、学校問題の中でも最大の関心事です。学校は 、本来社会の模範 的役割をになうべきです。ですから、「いじめ」が起こった場合、責任を持って、それに 対処する責任があるばかりでなく、学校のカリキュラムを通して、この社会悪を明らかにする責任もあるはずです。
残念なが ら、現在のイギリスの学校のカリキュラムは、余裕がなく、「いじめ」に対処するための 適切な指導法も確 立していないため、「いじめ」に効果的かつ意義ある対処ができないでいます。そして、 「いじめ」が起こると場当たり的な対処で、一時的に事態を収拾しようという傾向があります。その結果、 「いじめ」の被害 者の方は、自宅にひきこもっているのに、加害者の方は、公正と称して、社会的、文化的 活動へ参加させて もらえるという、あべこべの事態が起きているのです。
スコットランドいじめのない学校作り
スコットランド/エリザベス ロバートソンン私は、スコットランドの市立学校の副校長をしています。「いじめ」は、ここスコット ランドの都会でも 田舎でも問題になっています。スコットランドの教育委員会は、この問題を重大とみなし 、我々の学校でも 「肯定的態度を促進する(Promoting Positive Behaviou)」と呼ばれている一連の対策が 採用されています 。
最も新しい活動の一つが、「いじめのない学校作り」という研修会です。それぞれの学校で問題を明らか にするため、教師と生徒と親達が、共同で研修会を行い、学校全体のいじめへの対処方や 、問題を解決する ためのポリシーを提案するというものです。そのために使う資料は、地域の心理学者によ って書かれます。 これらのことを推進する全ての過程で、最も必要不可欠なことは、まず「いじめ」が、実際に存在したということを認めることです。
一人一人にできること
アメリカ/パム ロイド私は、比較的小 さい町(人口25万人)に住んでいて、小学校2年生の息子は、生徒数約450人の学校 に通っています。 ある日、息子は、学校から帰って来ると、休み時間に「グループに加わる」ことについて話 し始めました。こ のグループに加わるためには、彼はグループの全てのメンバーと、けんかをしなければならな いのだそうです。 私は、このようなことが、今、学校で起こっているとは夢にも思いませんでした。まして や、息子は、まだたったの2年生です。息子は、やはり同じグループに加わりたがっている親友とけんかをし なければならなく なり、ついにその重みに、耐えきれなくなり、私に全てを打ち明けたのです。
悲しい現実は、私は、息子の通っている学校の教師であり、つまり学校と家庭の両方で 、とても長い時間 を息子と過ごしていたのにもかかわらず何も知らなかったということです。また、さらに 悲しいのは、息子 が、これらの行為が全て正常だと思っていたことです。子供同士がグループを作って、何 かをするということは決して悪いことではないけれども、「集団での暴力行為」と「チームワーク行為」は 違うのだというこ とを息子に説明したのですが、その後、息子は自分で、このグループから抜けました。息子 が休み時間に、こ のグループとかかわらないようにする方法を身につけるには、しばらくかかったようです。
アメリカ全体が 、今、子供たちに何が起こっているかに、目を向ける時だと思います。注意していれば、 様々な兆候に気づ くはずです。もちろん、問題は、一人の手におえることではありません。でも小さくても 自分の役割がある はずです。私の小さな役割は、担任するクラスの27人の子供たちを一日に6時間、精一 杯面倒を見ること です。
ドイツでもいじめ
ミュンヘン/エレン ホッツェルドイツでも、学校でのいじめと暴力が問題になっています。上級生の不良グループが下 級生を脅して、お金や甘い物を巻き上げ、もし言うことを聞かなければ殴ったりするのです。今までに聞いた最も極端のケー スは、3人の男の子が一人のクラスメートを殺害したというものです。明らかに、彼らは 、ただ楽しみのために「悪魔の儀式」を行っていたということです。死ぬほど怖い話しです。
ホームスクール・タイプの学校ではいじめは起きない
アメリカ/カール バンデイイジメは、同い年の子供同士が集まる所では、必ず起こる問題です。大人を含む様々な 年齢の子供が混ざ ってグループでは、イジメの発生率は低いです。イジメは、世界中のどの文化においても 一般的なことです 。あまりに一般的過ぎて、ほとんど注意が払われないのです。多くの研究者は、ホームス クール(学校に行 かず、家庭で教育する方法)の子供たちを研究した結果、子供たちを親や兄弟姉妹や様々 な年齢の近所子供 たちと一緒に育てることによって、イジメと暴力を減らすことができるとしています。子 供たちを学校に集中させることが、低いレベルの「子供文化」を生むことになり、問題の一因になっている ようです。