Selective Service System(選抜徴兵局/義務兵役サービス)

soldier.gif (3283 バイト)

通称SSS。18歳〜26歳までのアメリカ市民、永住権保持者、米国に不法滞在している全ての男児は、SSSに登録する義務があります。(非移民ビザで外交官関係のビザ、貿易関係のビザ、観光ビザや学生ビザで一時的にこちらに住んでいる男性は除外)米国大統領および米国議会は国の緊急事態、または戦時に軍隊の拡大が必要となった場合、SSSの登録リストから徴兵することができます。


(米国滞在が1年未満の者は徴兵から除外されます。二重国籍の場合や永住権保持者で、登録を怠った者はアメリカを一旦離れて再入国する際に問題が生じるかもしれません。)


http://www.sss.gov/ (公式サイト)




登録しなかった場合の罰

登録を怠った場合、罪に問われ250,000ドルの罰金、または5年間の禁固刑になる可能性があります。また、登録しなかった場合、大学入学時などの奨学金( Pell Grants, College Work Study, Guaranteed Student/Plus Loans, and National Direct Student Loans. )を受けることができず、連邦政府関係への就職も許されません。(州によっては、さらなる罰がある場合もあります。)




SSSの歴史

フランクリン・ルーズベルト大統領が、1940年に設立しました。1948年から1973年にかけて志願兵だけでは足りない兵力を埋めるために徴兵が行われました。

徴兵制は1973年、ベトナム戦争の時に190万人の若者を戦場に送り約6万人の命を散らした後、終了し志願兵制となりました。しかしながら徴兵制にこそなっていないものの、冷戦時代、1980年に旧ソ連がアフガニスタンに侵攻した際に当時の大統領ジミー・カーターが徴兵活動の指揮をする機関であるSSSを再開しました。ロナルド・レーガン大統領は大統領選挙活動をしていた時には、この制度を廃止することを公約していましたが、後にソ連がポーランドの労働党を弾圧するようポーランド政府に圧力をかけるという動きを睨んで、SSSを温存することに決めました。

現在、ブッシュ大統領は、SSSにさらなる予算($28 million )を認めています。



徴兵の仕方

ベトナム戦争の末期、18歳から25歳までの男児の年長の順に徴兵されました。もし、徴兵制度が復活した場合は、くじ引き制が採用されます。くじ引き制では、20歳になった時点から1年間が最も徴兵されやすく、その後は、1年ごとに徴兵される可能性が減っていきます。このシステムによって26歳まで、いつ徴兵されるのかわからないという不安定な状態が回避されます。もし20歳だけでは兵力が十分でない場合には、21歳、そして22歳と順次に25歳までの人が召集され、10代は一番最後になります。

ベトナム戦争時には、大学を卒業するまで、徴兵が猶予されましたが、現在の徴兵法によると、大学生でも現在履修している学期が終了した時点で徴兵されます。 ただし大学卒業年度に召集された場合は、卒業後に徴兵されます。20歳に達しない高校生が召集された場合は、希望すれば卒業後に徴兵されます。

現在SSSは登録者率を増加させるために様々な対策を採っています。今年か来年中には26州で運転免許証の取得するためにはSSSへの登録証明がいることになります。また、SSSは20,841校のハイスクールに代理人を派遣し、SSSへの登録を奨励しています。多くの生徒は奨学金をもらうために必要な手続きの一つとして登録することになります。これによってSSSの登録率は、一段と伸びることになります。

SSSの目的は「登録」が目的ですが、もし登録を怠った場合、SSSは法務省(the Department of Justice)に未登録者の名前を提出します。結果的にMilitary Selective Service Actによって取り調べられ、裁かれる可能性があります。

現在、SSSは90%近い若者の登録に成功しています。

SCCのAnnual Report最後のページにDraft Eligible Registrants(徴兵適格者登録)という各州の1,977年〜1982年生まれの男性の登録人数統計がある。現在の登録総計112,052,970人。



≪友人からのメール≫

18歳の息子さんのいる公認会計士をしているアメリカ人の女友達に意見を聞いてみました。

「18歳になるとSSSに登録しなければならないのは法律です。大学の奨学金を申請したりFAFSA(Free Application of Federal Student Aid−教育庁の奨学金)に応募する際には自動的にSSSに登録することになります。たった一つ登録拒否する方法はアメリカを去ることでしょう。息子のクリスには今、アルバイトで私の仕事を手伝わせていますが、証券関係の仕事をするために指紋を取りFBIにも登録しなければなりませんでした。ということで、18歳以上のアメリカ男子は、社会保障番号(Social Security#)とSSS登録番号、そして金融に関わる仕事をする場合はFBI番号の三つを必ず持たねばならなのです。 You can't fight it so just live with it and hope for the best.」