母親の影響

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考えてみると非常に当たり前で、しかしながら、驚くべきことでもあるのですが、母親と幼児の関係は人生の中で一番身近で親密な関係ですね。子供が大きくなってからは、このような関係は一生2度とないでしょう。

一人の体が、出産によって2体になるのではありますが、心理的には一体であることがかなり長い間続きます。母から出る母乳で栄養をとります。母が直接食物を口に入れてくれます。母が排出物の面倒をみてくれます。そして、母が幼児の気持を察して遊んだり、助けたり、護ってくれます。この様な人間関係を幼児期以降、誰と結ぶことができるでしょうか。

幼児のこの経験と欲求は、心の深いところに忘れられたまま押しやられてしまいます。でも、これを忘れられずに、追求してしまう大人もいます。こんなにすばらしい人間関係だったんですから、やむおえないと言えばそうかもしれませんが。

たとえば、母親との一体感を忘れられないがために、恋愛に頻度高くおちいる人がいます。10代で発生する多食や拒食症は、母乳や食物を与える母との関係のもつれを現しているものでしょう。大人の性行為に排出物を取り入れて快感の増幅を試みることは、母親が排出物の面倒をみてくれたときの快感につながるのでしょう。また、頼りになる信頼を持てる人が自分の身を護ってくれたり、気持を気遣ってくれたりすると、母親が側にいるかのように安心するのは、誰でも同じでしょう。

このように、幼児の一生に影響を及ぼす親密ですばらしい母親との関係は、幼児が自己や周りの環境について習得する過程において大切な媒体となります。つまり、幼児は母との関係を通して物事を学んでいくわけです。

幼児は母親に対して夢中です。母のことをいつも観察しています。母親が機嫌のよい時、怒っている時、悲しい時、自分に対しての接し方が違うのに非常に敏感です。母親の気分によって自分の居心地が変わります。これが幼児にとって最初に学ぶ人間のことですから、母親に関する体験は、後に幼児が他の人達と接するための土台となる世界観を作り上げることは、忘れてはならない事実です。

幼児は周りにある物事を、直接観察して習いません。母親の物事に対しての反応を見て、その性質や良し悪しを習得します。たとえば、母がぬいぐるみを、安全でかわいいと扱いながら幼児に手渡します。それで幼児はぬいぐるみが安全であると習います。もし、母親が恐る恐るぬいぐるみを扱い、幼児が触った瞬間に悲鳴をあげたとしましょう。子供もぬいぐるみを何か危険な悪いものであると理解するでしょう。

さらに、幼児は母親が自分をどのように扱うかで、自分が何者であるか発見します。自分が大事に、大切に扱われれば、自分の貴重さを納得するでしょうし、雑に扱われたり虐待されれば、自分は価値のない、いやらしいものであると理解することでしょう。

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