この間、思春期に至る女の子が、「お母さんと喧嘩ばかりして、時間を無駄にしている。......私には自分の人生があるのでそんなことをしている時間はない。」と大人のように言うので、つい吹出してしまいました。興味をそそう発言なので、「あなたの人生とは一体なんですか。」と聞いてみたら、「車を買って、アパートを見つけて、かっこいい服を買って、面白いCDを買って聞くこと。」とかえってきたので、またまた笑ってしまいました。ティーネイジャーは丁度大人と子供の間にあるので、一方大人めいたことを言ったと思ったら、その現実離れした思考で、まだ子供であることを知らされます。
大人であるというその本質には、言動が現実的であるということがあります。自分の欲求や空想を現実の限度を理解した上で、満足させたり、表現をしたりします。大人の欲求や発想は根本的には子供のとあまり変わりませんが、それを現実と合うように、創造力を使ったり、調整をしたりして実現することで子供から差をつけます。
でも、一言に現実的な表現と言ってもいろいろな段階があって、子供の表現に気を持たせた程度のものから、創造的または芸術的と言うまでの表現まであります。この現実とのやり取りの「うまさ」というものは、生れた時から始まって一生磨き上げられていくのです。このように人間は大人になった時に成長が止まるのではありません。大人になっても成長をし続けるのが普通なのです。でも、いろいろな精神的な問題からこの成長が止まってしまった人も少なくありません。そういう人は自分の気持ちや考えと回りとのギャップを感じながら、不満をあまり解消できずに生活をしていかなければなりません。そういう時に自分の実態を掴むことが成長を回復する第一歩となるのです。
30才後半の男性に、「あなたはいつも何をやりたいと思っていますか。」と聞いたら、「日本に帰って、お母さんにおいしいごはんを作ってもらって、夜遅くまでおきて、ファミコンをすること。」えー?
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