結婚相手の誤用

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そのために結婚をするわけではないのですが、知らないうちに結婚相手の誤用をしてしまいます。ここで言う誤用とは、自分の問題を相手を使って責めるということです。自分がいらいらしている時に、相手に当たり散らす。相手がのこのこしていると、自分がフラストを感じ、今度は相手がのろいことを責める。子供がうるさいと相手のしつけが悪いと相手を戒める。相手が人前で大声で話すと、自分が見られているような感じがして、相手をとがめる。自分が物にぶつかって痛い思いをしたら、相手が物をそこに置いたことを注意する。日常の中から例をあげればきりがないですね。

人というのは、自分の心を安定させるために、自分の中にある不純物を排除します。その不純物というものは、自分の怒りであったり、短所であったり、自分の醜い姿であったり、劣等感であったり、恥であったり、罪であったり、いろいろです。それらを自分の中に保っておくのは大変ですから、それを相手に投げかけて、自分はさっぱりとしたいわけです。ちょうど自分の悪い部分を相手の中に入れておいてもらっているようです。相手は自分の悪い面の貯金袋みたいです。沢山そのような貯金をして、相手が随分醜くなったら、それじたい自分のそばに置くのは耐えられなくなり、そんな相手を悪用したり虐待したり、そして離婚を考えたりします。

おかしなことに、自分が相手を責めている一方、相手も自分の心の安定を図るために夢中で、相手の悪いところやフラストをこちらに投げかけているではないですか。こちらも知らない間に相手の悪い面の貯金袋になっているのです。貯金袋の中身はこちらにとっても嫌なもので、我慢をするのは大変ですからそれも相手にまた投げかけます。お返しをします。そうこうしているうちに、お互いの貯金袋の中身が、いったいどっちから来たのか解らなくなってしまいます。私の怒りは最初は私のだったのか、それともあなたが最初に怒っていたのか。

セラピー

案の定、カップルのセラピーは必ずといっていいほど、相手の悪口から始まります。自分に何かが悪いために結婚問題が起こっていて、それを何とかしようとしてセラピーに来る人は、少数の例外でしょう。でも、そこまでいっていたら、問題の半分は解決したことにもなるでしょう。でも、現実はそう簡単ではありません。何回も何時間もお互いに相手を責め続ける悪循環が続きます。今まで相手が悪いと思って頑張ってきたのに、その悪い点が自分から来てるだなんて、そんなこと理解できません。そんなことを受け入れていいのでしょうか。自分の存在の問題にも至りかねません。セラピストが一生懸命になって相手を責めることをやめさせてもあまり効果がでません。

この時点で考え方の飛躍をしなければなりません。二人の人物がお互いに責め合ってるという考えから、一つの組織が悪い循環をしているのだと。もう誰が誰を責めているというのは、問題ではありません。非難が回転しています。誰が誰を悪用しているのではなく、悪用が回転しています。誰かの責任ではなく、同時に二人の責任ですし、誰の責任でもありません。この状態をカップルの一人の目から見ると、自分の怒りは相手から来て、相手の怒りは自分から来て、そしてまた自分のは、、となります。それと同時に、自分が責めるのをやめれば、相手がやめて、相手が責めるのをやめるのは自分が責めるのをやめるので、、となります。結婚問題の原因は相手にあり、その原因は自分にあり、そしてその原因は、、

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