今月は性格判断の仕方を一つ紹介したいと思います。性格を判断するのにいろいろな方法があるのですが、今回お話したいのは、比較的簡単で心理テストなど必要のないやり方です。
先ず、性格のある特色を程度を使って考えてみましょう。人はいろいろな特色を持っていますが、人によってその程度が違うという考えです。ある人は親切ですが、もう一人の人はもっと親切だとか、またある人は冷たいだとか、ある特色を使って人をいろいろと区別することができます。この場合、親切なことが人格の特色で、その程度を次元dimensionで表すということになります。
心理学でよく使われる次元で内向性-外向性があります。内向性の強い人は内気な人で他の人とあまり交わりたがりません。一人での活動が好きな人です。外向性が強いと他の人と関わるとこが楽しい人です。一人でいると退屈になり、人とのコンタクトを取りたくなります。
内向性と外向性の境を0として、外向性の程度を+1、+2、+3、+4、+5と判断するとしましょう。内向性の方は、−1、−2、−3、−4、−5とその程度を表します。+5は自分の知っている範囲内の人で最も外交的な人です。逆に、−5は最も内向的な人です。この次元をX軸としましょう。
今度は縦のY軸ですが、それにはもう一つの人の特色を選びます。ここでちょうどよいのが愛情―憎しみlove/hateの次元だと思います。Y軸の0を愛情と憎しみの境界線とし、+5が自分の知っている人達の中で一番愛情たっぷりで、−5が憎しみに満ちた性格の人としましょう。
さあ、自分の性格判断をしてみましょう。例えば、あなたは人と交わることが好きなのでX=+3とします。そして人好きで人に対する愛情も高いので、Y=+4としましょう。あなたの性格は、+3、+4でたいへん好かれるタイプということになります。今度は、あなたがちょっと内向的なのでX=-2とします。あなたはたいへん愛情深い人なので、Y=+4としましょう。あなたの性格は、−2、+4で静かながら魅力のありそうな性格です。
同じようにして、+4、−5の性格は、人に向かっていきますが相手を嫌っていますので反社会性の人になりますし、−2、−3位の人ですと、人を避けかつ人を嫌いなので、疑い深い閉じこもった人のように写ります。
自分の性格判断だけでなく、相手の性格も判断してみましょう。自分が −3、+2で内気気味の人は、+4、+2くらいの明るく外交的な人が好きであるかもしれません。また、同じく、−3、+2で内気気味なあなたは、+3、−2くらいの積極的、でもちょっと意地悪な相手が好きであるかもしれません。
また、+5、−3のすごく人当たりのよい、でも反社会的な男性が、−1、+3のちょっと引っ込み思案の依存性のある女性と一緒になって、虐待的な人間関係を結ぶことがあるかもしれません。男性の方は、Y=−3で、人に対する憎しみを相手の彼女に表現し、アビューシブabusiveな行動をします。女性の方は、Y=+3ですから、彼の意地悪を寛容し受け入れ気味です。彼女のX=−1は彼女を人から遠ざけるので、彼女は彼の虐待を他の人に告白しません。ですから、他人の介入なく虐待関係が続いてしまいます。
このようにして、簡単な性格判断法を使っても、人格の理解や人間関係を詳しく知ることができます。付け加えとして、ここに述べました性格判断法に第3の次元Zである自己防衛の発達度を加えたり、第4次元Aである年齢などを含めますと、ますます複雑でかつ正確な性格判断ができるようになります。しかしながら、そこまで追求しますと、人が頭で人格を想像するのが難しくなりコンピューターでのシミュレーションなどが必要になることでしょう。
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