2007年4月アーカイブ

Falling in Love

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恋におちいることは、エイプリルフールみたいだなんて映画が昔ありましたが、やはり、恋におちいることは、だまされたかのようなのでしょうか。今回は、そのプロセスについて探ってみようと思います。

「Love at first sight」すなわち、一目ぼれっていう言葉がありますが、この現象は、自分が描いていた異性の姿にたまたま出くわした時に起こります。自分からすでに理想の人のイメージを持っていなければならないですし、運良くその人と会わなければならないしで、かなり、確率的には少ないと思うのです。

実際には、ある人に会って、ほれて、恋におちいるまで、個人差はありますが、時間がかかることでしょう。

第一段階の出会いですが、初めて会うので、相手に対してちょっと気を向ける以外は、感情的にニュートラルなものだと思います。しかしながら、面白いもので、ほれるタイプっているのは、それ以前に存在するものです。それまでの経験で、恋というものは、自分にとっていかなる人間関係なのかと、型ができてしまっています。

その型がいったいどうやってできたかは、それ自体長いお話になりそうですけれど、ちょっと考えてみますと、他のカップルのロマンスの仕方がお手本になるように思えます。そのお手本は両親であったり、身近なカップルであったり、異性の自分の親を思わせるような型であったりします。また、映画やテレビで見て、自分の型の表現の仕方を習ったり、再確認、強化されたりして、出来上がったりもします。

最初に相手と出会ったとき、自分の型の影響で、相手にちょっと興味があったり、気になったりします。たぶん、二度と会わなければ、それだけで終わってしまうのかもしれません。やはり、恋が発生するには、何回か会う機会が必要です。少なくとも、なんらかのコンタクトがあり、二人の関わりを支えているものが必要でしょう。

第二段階:その間に起こることが、結構面白いです。実は、恋におちいるプロセスは、心の中で随分働いています。相手のイメージを頭の中に描きながら、それに対して自分特有の意味を付けていきます。たとえば、相手の顔を浮かべながら、この人に優しく扱われたいとか、この人に認めてもらったら最高であるとか、この人と旅行に行って、こうなると楽しいだとか、いろいろと意味がふくれ上がっていきます。その意味付けが、相手の姿だけに起こるだけでなく、相手の行動や態度、声の音色、髪のスタイルなど、無意識のうちにいろいろなものにわたって起こっていきます。もはや、彼/彼女は自分のとって大切なものに変化していきます。自分で作りあげた像ですから、大切なものに違いはありません。

第三段階:そこまで思って作り上げた大切な彼女/彼は、存在してほしいです。運良く相手との関わりあいが続くのであれば、自分が信じている相手がそうであると、確認できるかもしれない。そして、相手とのやり取りの中で、自分の思っていることを、テストしていきます。もし、相手が自分の意味を付けた通りであれば、興奮します。そうでなければ、がっかりして、相手を思う心が減っていってしまいます。

面白いことに、相手もこちらのほうへちょっとは興味を寄せていますと、こちらの願っているように反応をしてくれるようになります。ここが人のよいところであり、悪いところでもあるのですが、こちらの欲求の期待を破らないように、結構合わせて答えてくれます。そのために、こちらは現実を見極める力が劣ってしまうのは確かです。相手が、実際にはどのような人であるか、よくは判らなくなってしまいます。でも、恋人の実存のほしさに、こちらはますます恋人の存在を確信していくわけです。

この世に、自分を満足させてくれる人物がいる。なんと不思議なことであり、たのしいことであるんだろう、と思いながら、相手との関係を追及していきます。相手はそこにいるのですが、同時に自分で作りあげたもの。やはり、エイプリルフールですかね。

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