2009年2月アーカイブ

sensei.jpg   「I solemnly swear...」という形で、1月20日アメリカ第44代となるオバマ大統領が誕生しました。私は過去何回か大統領の就任式を見てきましたが、やはり8年に一回位しかない出来事は興味深いですし興奮します。というわけで当日の朝9時ごろオバマ氏が宣誓するのをテレビで見守っていました。

 先ずは、バイデン副大統領の宣誓が始まりました。人前にでるのは慣れているわけでしょうが、やはり副大統領の宣誓となると緊張するのでしょうか。准判事が最初の言葉を言い終わらないうちに、バイデンが宣誓の言葉を繰り返し始めました。そして途中「ある間」が、、、一瞬、言う言葉を忘れてしまったのでは。と思うやいなや、言葉が出てきて無事終わりました。

 続いて、待ちに待ったオバマの宣誓。緊張します。世界中が注目をしています。間違わずに最後まで終わることを祈ります。自分だったらどこかでつまずきそう。自分にとっては絶対にありえない光景でも、自分のことであるかのように緊張しました。そして宣誓の最初の句の後、「つまずいてるー」言葉を忘れたかのようです。やばい。オバマはその一瞬の後、スマイルを見せ、、そして最高裁判所長官が言葉を繰り返します。でも、それと違う言葉がオバマから出てきました。でも、宣誓はそのまま続き、「Congratulations, Mr. President!」と終わってしまいました。ああ、良かったと同時に、混乱。いったい何が起こったのだろうか。歴史的瞬間に乱れが、、、。

やはり大統領となる人も、緊張が隠せないのでしょうか。緊張に左右されてしまうのでしょうか。と自分もそうなるであろうという心配。まったくこんな時に無意識の力が働くとは、と残念であります。

その晩の「Tonight Show」でJay Lenoが今朝のことをジョークにするのではないかと、思いながらテレビを除いて見ますと、案の定言いました。「最高裁判所長官がオバマ氏の宣誓の時に間違った。」えっ、これってジョーク、それともほんとうですか。一日中誰かが何かそのことについて触れるのではないかと思っていましたが、誰もそれについては触れていませんでした。それくらいまずいことなのかと思っていましたら、オバマでなくて、裁判所長官の間違えだったのですか。よく解りません。

翌日の朝フジテレビがオバマの宣誓のシーンを放送していました。テープにとってあったので、何回も巻きなおして観察をしました。すると、Jay Lenoの言っていたことが解りました。裁判所長官曰く、「I will execute the office of president to the United States faithfully.」そして正しいのは、「I will faithfully execute the office of president of the United States.」faithfullyの語順が違うだけでなく、ofのはずなのがtoになってしまっているではないですか。2つも間違っています!えーっ、裁判所長官がですか。要するに彼が間違ったことを言ったので、オバマ氏がどうしようかとつっかかってしまったのです。結果としてオバマは間違ったほうを長官に合わせて言いました。オバマの長官への情けでしょうか。

今度は、ヨーロッパニュースを見ました。たまたまイタリアニュースでオバマの宣誓のシーンを見せていました。レポーター曰く、「オバマは自分の興奮!を隠すことができず、宣誓中につまずいてしまった。でも、その後すぐ立ち直って、立派な就任演説をした。」えーっ、やっぱりそのような見方をする人がいるではないですか。言葉がよく解らないからそのように見えたのでしょうか。

しかしながらちょっと振り返って見ると面白いですね。同じシーンを見て三通りの説明が出てきました。それも国民性をよく現しているではないですか。私日本人は、あのシーンを見て、「緊張」と訳しました。アメリカ人であるJay Lenoは「他の人の間違い」と責任逃れ。感情的と言われているイタリヤ人は、「興奮」を見たのでした。 

でも、考えて見てください。これは歴史的イベントです。それが見ている人の立場でこんなに訳が違うのです。ということは、実際に何が起こったかは完全に解らないまま、事実が書かれていくということにになります。 

オバマの宣誓に関しては、最高裁判所長官が間違いを犯したということで、オバマ大統領に謝りました。そして、その間違いのために、オバマ大統領が未だ大統領でないのではないかという危険性を避けるために、もう一度ホワイトハウスで宣誓をしたと就任式の翌日伝えられました。オバマ大統領曰く、「今度はもっとゆっくりやりましょう。間違えのないように。」でした。

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