(こどもの)意識が創られる

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daisuki.pngある会話のやり取りの様子をみてみましょう。

子:「お母さん、見て。私これ作ったよ。」

母:「あー、よくできたね。お母さんも小さい時、作ったことがある!よくできてるね。」

子:「私、今度、ゆうちゃんにも作ってあげる。」

母:「それは、楽しいだろね。ゆうちゃんも喜ぶでしょう。」


そしてもう一つ、、、

子:「お母さん、見て。私これ作ったよ。」

母:「あー、そう。終わったらちゃんとお片づけしようね。」

子:「私、今度、ゆうちゃんにも作ってあげる。」

母:「ちゃんと自分の宿題をしてからよ。」

最初の例は、母と子が仲良しのように会話が進んでいきます。2番目のは、母親が規則を植え付けようとしている様子がみられます。表面的な理解はそうなのですが、これらの違った会話が、子供の自分についての意識に、どのように影響があるか、もう少し調べてみようと思います。

 

先ず、最初の子は、何かを作って自己満足をし、それを母親にもみてほしい、ほめてもらいたいと、母親に話かけます。母親はその子供の気持ちを察し、ほめますが、それだけではなく自分の同じような経験を思い出します。そしてその時、自分がよくできたと思っている物を、ほめてもらいたかったことを思い出し、「よくできてるね。」と子供に答えます。子供はそこで母親が同じような経験をしたことと、よくでいているという認識をし、さらに次の計画を膨らまします。それについて母親は、自分の経験を使って「楽しいだろね。友達も喜ぶでしょう。」と子供の認識を増やしていきます。つまり、子供の経験に親の経験が加わり、子供の自分の意識が広がっていくわけです。

今度は2番目の会話をみてみましょう。子供の表現に対し、母親は作ったものに関して無視をします。その代わり、自分の気にしていること、すなわち片付けの要求をします。多分そこで子供の心は縮んでしまっていると思いますか、それにも負けず、自分で良いと思っているのでゆうちゃんにも作ると頑張ります。母親はまた子供の表現を無視し、自分の気にしているところ、すなわち子供が宿題を終わらせることを伝えます。片付けをすることや、宿題をすることは大切なことですが、それらは自分の課題で、子供の気持ちを理解しようとしていません。子供の方は、自分の発言に母親が反応をしてくれないので、無視されたという気持ちを抱くだけでなく、作った物に関しての意識が広がりません。自分で作ったものに関して、いろいろな想像がなくなってしまうのです。

簡単にまとめてみますと、子のアイデアに母のが加わり(子+母)、それに今度は子のアイデアがさらに加わります[子+(子+母)]。そしてまたそれに母のアイデアが加わっていきます。このようにして子供の意識が広がっていきます。それと同時に母のほうの子に対する意識も広がっていきます。その一方、2番目の会話では、子のアイデアに母のアイデアは加わらず、違うアジェンダを持ってきます。この母のアイデアに子供は加わらず、また違うアジェンダを持ってきます。会話が平行線をたどるように進行し、交わるところがありません。お互いに、自分の意識に相手の意識が入らないので、変化の余地がありません。

子供の意識は、親の意識をそれに含みながら、広がっていきます。そして、子供が親の意識を含むには、親が子供の意識を含んでいなければなりません。そうすることによって親が自分の世界観を子供に伝えているかのようです。

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