塩ビ製のおもちゃ、子ども製品の安全性


数週間前の読売新聞に以下のような記事が掲載されていました。

塩化ビニール製のおもちゃから、食品衛生法で使用が禁じられている「フタル酸ビス」が検出されたことが、1日わかった。フタル酸ビスは環境ホルモンの一種とされ、なめたりすると、将来的に生殖機能などに影響が出る可能性もあり、同社は川崎市の指示で回収を決めた。 問題のおもちゃは「JUST LIKE HOME フルーツセット 」。中国から2万520個を輸入し、1月30日までに全国で1万6768個を販売した。 フタル酸ビスはプラスチックなどを柔らかくするために使われるが、おもちゃへ の使用は2003年8月から禁止された。大阪府堺市が、抜き取り検査でフタル酸ビスを検出、川崎市に連絡していた。

同社は「再発防止のため品質管理を厳しくする」としている。問い合わせは、オンラインショッピング問い合わせセンター(0570・055・101)へ。(2007年2月2 日9時15分 読売新聞)


中国製のプラスチック製品(玩具、日常用品など)は、アメリカの市場にも溢れています。トイザラスで売っている玩具も、大抵Made in Chinaです。上記のJust like home という名前から、恐らくアメリカでも売られているに違いないと思い、トイザラスのサイトで検索してみたいところ、やはりJust like homeシリーズの玩具が売られていました。

そこでアメリカでの特に玩具への危険な環境ホルモンを含む塩化ビニール製(PVC)の規制は、どうなっているのか興味を持ち調べてみました。すると、アメリカ国内で生産されるものに対しては、Consumer Product Safety Commission's (CPSC) により自主規制を呼びかけている程度、海外から輸入されるものに関しては、ほとんど規制がなされてないということがわかりました。


自然な形の子育てを提唱することで知られている雑誌“Mothering”でも、この問題が取り上げられており、以下のような指標が示されていました。「玩具、子どもの口に入る製品(を買うのであれば、木製、金属製、布製のものにしましょう。また、ターッパーウェアなどの、リサイクルできるプラスチック製の入れ物の底には、大抵、三角のマークの中に数字が入っています。プラスチック製品の玩具を買うのであれば、そのマークが2、4、もしくは5と書かれているものにしましょう。もし、表示がない場合には、 購入しないようにしましょう。」


NOTE:塩ビ(塩化ビニル)は発ガン性があり、肝機能障害などを引き起こす多種多量の添加剤・鉛やカドミウム、すず化合物などの重金属を含んでいます。これらは素材に しっかりと結合しているわけではないので、溶け出してくる可能性が大きいです。

塩ビには、その柔軟性を出すために、環境ホルモンの疑いがあるフタル酸エステルなどの多量の可塑剤が使われています。

多くのヨーロッパ諸国では、フタル酸エステル類あるいは軟質塩ビ玩具を法的に禁じているようですが、日本もアメリカも、まだまだ規制が甘いようです。親である私たちが知識を高め子供を守るしかないですね。玩具だけでなく、子ども歯が生えて来た時に使う柔らかいおしゃぶりや、マグカップなど、きちんと素材をチェックした方がよさそうです。