たんぽぽ54号より許可を得て転載>
◆IC旅券導入の背景とIC旅券の内容
近年、旅券の偽変造やなりすましによる旅券の不正使用が増加し、国際的な犯罪組織や不法な出入国に利用されています。それを防止するため、生体情報認証技術(バイオメトリクス)の応用による、安全性が高く偽造・変造困難な旅券の導入が国際的な動きとなっています。米国においても、ビザ免除継続の要件として、各国にバイオメトリクスを採用した旅券の導入を求めています。ICAO(国際民間航空機関)において策定されたIC旅券の国際標準では、記録する必須の生体情報として「顔画像」を採用しており、日本では生体情報としてこの「顔画像」を採用しています。
日本では2006年3月20日より、新しいタイプのパスポート(旅券)の申請受付が在NY総領事館で開始されました。
新しいパスポートにはIC(集積回路)が搭載され、国籍や名前、生年月日などの身分情報のほか、申請書に貼付された写真から読み取った顔画像が記録されています。
◆IC旅券申請時の注意
● IC旅券が導入されてもパスポートの申請手続きはこれまでとほとんど変わりませんが、提出する写真
の規格が変更になりました。写真自体の大きさは変わりませんが、顔の占める割合が大きくなっていま
すのでご注意ください(右図)。
● 在NY総領事館におけるIC旅券の発給手数料は、以下の通り変更になります。
10年間有効旅券 144ドル
5年間有効旅券(12歳以上) 99ドル
5年間有効旅券(12歳未満) 54ドル
● IC旅券が導入されても、現在有効なパスポートは有効期間満了まで使用することができますが、非IC旅券からIC旅券への切り替えを希望される場合は、残りの有効期間にかかわらず切り替えることが
可能です。ただし、通常の旅券発給手数料が必要です。
◆パスポートを紛失したら?
2006年3月20日から、パスポートを紛失したときの手続きが変更になりました。紛失した際は、原則として在NY総領事館に自ら出頭し、紛失一般旅券等届出書を提出しなければなりません。そのときに、警察に届け出たことを立証する書類と、本人の顔写真が必要です。紛失届けのあったパスポートは失効処理され、旅券番号がICPO(国際刑事警察機構)に通知されますので、あとからその旅券を発見しても使用することはできません。また、紛失後新たに旅券申請する場合は、新規申請同様、原則として戸
籍謄(抄)本を提出する必要がありますのでご注意ください。
◆パスポートに関する詳しい情報はこちらで・・・パスポートA to Z(外務省ホームページ)