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75640 re(1):父と母の結婚生活
2016/12/29(木)09:45 - こーこ - 2435 hit(s)

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わたしは6歳の時に父を亡くしました(父は癌を患い亡くなりました)。
正直なところ父の思い出はあまりなく、父とのいろいろなエピソードもきょうだいから聞かされて知っているのか、自分自身の思い出なのかもはっきりしません。
父は博識で子供達の教育に熱心だった、手先が器用で日曜大工はお手の物だった、音楽が好きでギターを弾いていた、作曲などもしていたらしい、などなど、
きょうだい間では「最高の父、偉大な父」というのが共通の概念でした。

それが、父の死後何十年も経って、女手一つでわたしたちを育てた母が仕事を辞めた頃から、父に関する愚痴を言うようになりました。
あの時はこうだった、あの人はこういうことは全くできない人だった、などなど、生前の父との暮らしで母がどれだけ苦労したbのか、ということを話し始めました。
最初は、わたしたちももう随分な大人になっていましたので、母もやっとこういう話ができるようになったのだな、と思って聞いていましたが(実際、目から鱗だった話もあります)、
そういう話が続くと、それこそトピ主さんのように、「お母さんにはお父さんとの良い思い出はないの?」と言ってしまったこともあります。
母から、「ないねぇ!」と、はっきりと断言され、あらららら・・・という感じでしたが(^^;

母は、再婚することもなく、貧しい中でお金をやりくりして、わたしたちを育て上げました。
父が亡くなって、悲しんでふさぎ込む余裕すらなかったと思います。1日16時間は仕事していましたから。
それが、私たちが皆独立し、肩の荷が降りたからでしょうか、母は仕事を辞めてから、父の愚痴を言うようになりました。
母の愚痴を聞くようになって初めて、今まで知らなかった父のことも知ることが出来ました。
父のことをそれまでは聖人というか、とにかくSuper Father的に立派な父と捉えていましたが、父もごく普通のひとりの人間だったのだな、と思うようになりました。
母の愚痴を聞くのにはほとほと辟易していましたが、そういう意味では母に感謝しています。

もう何年も前になりますが、姉二人と南こうせつさんのコンサートへ行きました。
そこで、とても面白い話を聞きました。こうせつ氏のお父さんが亡くなられた時の話です。
お父さんは確かお寺の住職さんだったと記憶していますが、お葬式の後、お父さんの骨壷を前に、お母さんがじっと座っているのを見て、
こうせつは他のきょうだいらと、お母さんを励ましたのだそうです。
ところがそのお母さんは、じっと天井を見上げ、ポツリと
「好きじゃなかった・・・」
と言ったのだそうです。
わたしたちを含め、観客たち皆、大笑いでした。こうせつさんの話術もあったのでしょうが、なんら悲観的な話でもなんでもなく、
笑い飛ばせる明るい何かがありました。
そして、その時なぜか、あぁそんなモンなのかもしれない・・と思えました。
母だけじゃないんだな、こういう風に結婚生活を終える人生もあるのだな、と、妙に腑に落ちたのです。

母と父は恋愛結婚でした。
母は何よりも父の「頭の良さ」に惹かれたのだそうです。父はハンサムでしたが、母にとっては「顔よりも頭」だったそうです。
今となっては笑い話ですが(笑)。

母の愚痴は何年も続きました。
母の人生の中で拭きれなかった「不満」がいつかなくなれば、父の愚痴もなくなるかなぁと思っていましたが、
今、母は認知障害があり、違う意味で父の愚痴が出なくなりました。
たまにこちらから父のことを聞くと、思い出したように毒舌になり、それはそれで母らしくて良いかな、と思います。

母に確認したわけでもなく、これからも確認することは叶いませんが、母の人生はそれで良かったのだと思います。
父と結婚し、義家族のことで苦労し、夫を亡くし、さらに苦労し女手一つで子供達を育てあげ・・・
願わくば、母自身が心の奥底で、「自分の人生は幸せだった」と満ち足りた気持ちになってほしい。

わたしの母に限って言えば、父の愚痴はとめどなく口にしていましたが、父への愛情も確かにありました。
言葉にすることはとても少ないものでしたが、母の年齢からすると、そんなものなのかもしれないです。

トピ主さん、愚痴を聞くのは辛いことですが、聞き流すことですよ。
わたしはそんな母に耐えられなくなって反論もしましたが、それもまた良かったと思います。
じっと耳を傾けるのではなく、へいへいそうでしたか、と聞き流す術を得てからは、そんなに気にならなくなりました。
あーまた始まった、やれやれ、ってな感じで。

深く考え込まれませんように。


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