トコちゃんベルト考案者渡部先生に妊娠中と腰痛の関係についてお尋ねしました。
監修:渡部 信子先生
健美サロン渡部院長/日本カイロプラクティック推進協同組合組合員
健美サロン院長に。「MINE」「日経ヘルス」などの雑誌やメディアでも、長年の臨床に基づく豊富な経験を生かし新しい骨盤ケアを提唱。渡部先生考案のトコちゃんベルトは今や全国の400以上の病院、産院で使用されており、妊婦さんの健康と骨盤ケアの必需品になっています。
妊娠中の腰痛の原因は?
このホルモンは、まだ測定することはできませんが、その作用で骨盤を支えているじん帯がゆるみ、骨盤がグラグラになってきたところに、自らの体と、どんどん大きくなってくる赤ちゃんを支える負担がかかるため、全く腰痛知らずだった人ですら、いきなりお尻が重だるくなったり痛んだりすることがあります。
ホルモンの分泌量に個人差があるのか、その効き方に個人差があるのか、その両方なのか、多分両方と思います。双子のように大きな胎盤からたくさんのリラキシンが分泌され、かつ、40歳近い年齢で靭帯が脆弱になっている女性は、重症になっていることが多いです。
骨盤が歪んでしまう主な原因は何ですか?
たとえば、以下のような動作で歪むことが多いようです。 横座り、ペタンコ座り 左右どちらかの側臥位ばかりで寝る 上の子を腰骨に乗せるように抱いて、片脚に体重の大部分を乗せて立つ 床の物を右手で拾う時に右足を前に出す 風呂の洗い場で小さな椅子に右お尻だけ乗せて、右手に洗い桶を持って浴槽のお湯を汲む それでは、お産が終わりホルモンが出なくなれば自然に骨盤のグラグラや靭帯の緩みも解消されるのでは? 緩みが生理的範囲(11mmくらいかな?)ならば回復します。しかし、緩みきって恥骨結合が20mm以上も開いた時などは、自然には回復せず一生痛む人もあります。
産後の尿漏れなどのトラブルの原因はなぜでしょう?
これは緩みというより、骨盤の底面積が広く変形しために続く後遺症です。
妊娠中のガードル着用で本当に体型の崩れが防げる?
子宮 → 締めなくても収縮する。
腹筋 → 締めた方が早く回復しやすい。腰椎の負担を減らし、良い姿勢を保つには、おへそから下だけを締めればよい。
皮膚 → 締めなくても、腹筋の回復にしたがって回復する。
骨盤底筋群(骨盤の底を支えているテント状の筋肉) → お腹を締めると腹圧が下に逃げるため、回復が遅れる。
骨盤 → 締めた方が回復が早いが、産褥ニッパーでは腰骨の一番はっているところを締め付けるので、骨盤を洗面器型から寸胴型に変形させ、腰痛を悪化させる。
寸胴型になった骨盤では、底を支える筋肉も引き伸ばされ弱くなります。さらに、お腹をニッパーなどで締めつけると、骨盤の上から見た面積が狭くなります。するとテコの原理で底面積が広い形に変形します(=洗面器型であるべき骨盤がずん胴型に変形)。また、本来骨盤の中に収まっているべき直腸・ 子宮・膀胱も一緒押し下げられ、痔や脱肛・排尿障害(尿が出にくい、もれる)・ 子宮脱の原因となります。産後すぐにこれらに悩まされる人もあれば、更年期を 過ぎてから悩む人もありますので、ご注意を!!
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なぜ妊娠中の骨盤ケアが必要なのですか?
赤ちゃんの頭と骨盤の入り口は、ほとんど同じ大きさなので、赤ちゃんは骨盤がゆるまないと産まれ出てきません。ですので、妊娠直後から骨盤の関節をつないでいる靭帯は緩み始め、赤ちゃんを産む準備が始まります。 現代社会は昔に比べ歩くことが激減しており、足腰、骨盤周辺の筋肉、靭帯が驚くほど弱くなっており、そこに妊娠すると骨盤がゆるみ過ぎてしまいます。ですので、妊娠中の骨盤ケアが必要なのです。
また、赤ちゃんは回転しながら生まれてきますが、骨盤が歪んで骨盤の内側に骨のでっぱりができると赤ちゃんの頭はそれにひっかかって回れなくなりお産の進行がストップ、難産になってしまいます。
では、どうしたらいいのでしょう?
晒しを三つ折にして、恥骨と尾てい骨を押さえるようにしてしっかり巻き、残りは下腹を持ち上げるように巻きましょう。自分で巻けない人は、買って着けましょう。腰痛を和らげ、しかも、妊娠中毒症を引き起こさないものは、「トコちゃんベルト」と、腰部保護プロテクター(犬印)の二つしかありません (※1 最近、類似品がたくさん出ているので注意してください。)。プロテクターは、薄いアウターにもひびかず、外出時には重宝しますが、腰痛予防の最も大切な時期である産後の入院中には、とても着用できないのが最大の欠点です。
腰が痛いとお腹が張りやすくなり、お腹も痛むことがあります。痛みは痛みを 呼びますから、「お腹が大きいんだから、腰お脚の付け根がが痛いのは当たり前」 と思って我慢しないで!
※1 最近、トコちゃんベルト類似品の骨盤ベルトが、たくさん出回り始めています。しかし、それらの多くは総伸縮素材(端から端まで伸びる素材)で作られています。このようなベルトを締めたまま座ったり寝たり、長時間動かずにいると、足の静脈の血行が悪くなり、血液の固まり(血栓)ができやすくなり、足がむくんだりしびれたりすることがありますのでご注意ください。
理想的な腹帯とは?
まとめましょう。産後の体の回復のための理想的な腹帯とは、「骨盤の下半分 をしっかり締め、腰骨の張っているところは強く締めず、おへそから下のお腹は 軽く支え、おへそより上は決して締めない」ものです。妊娠中も産後すぐからも 使える理想的な腹帯を求めて、私が何年もかかって考え作ったのが「トコちゃん ベルト」なんです。
腰に自信のある人は、木綿のゆるい総ゴム編みの腹帯で、軽く腰とお腹を保護 すればOKです。さらしがお気に入りの人は、三つ折にして産前と同じように、 腰をしっかり、下腹は軽く支える程度に巻きましょう。病院や助産院には、「これが産褥ニッパーです」と言って「トコちゃんベルト」 を持って行ってもかまいません。胎盤が出て、傷を縫って、着替えて、きれいな パッドを当てた時に、同時に「トコちゃんベルト」で骨盤を保護するのかがベス トです。骨盤がゆるみっぱなしのままベッドで寝て、歩いてトイレに行くと、骨盤が歪んでしまったり、いっそうひどく開ききる人があります。
「トコちゃんベルト」は骨盤と腹筋をすみやかに回復させますので、元気に動 ける体に早くなります。すると、姿勢も良くなり、贅肉も減り、スタイルも良く なります。お腹のゼイ肉をいくら押さえても、健康にも美しくもなれません。締めるべきは骨盤です。 腹筋の運動などは産後2ヶ月ほどたってから始めれば、しっかりウエストは細 くなりますのでご心配なく。ニッパーやガードルも産後2ヶ月までは着けない方 が健康のためですが、産後2ヶ月たって薄いワンピースなどで外出する時など、 スタイルが気になる場合は、ガードルを着けるのが良いと思います。
私は若い頃から殆どガードルを着けたことがありません。3回の出産後も、さ らに50歳の今日に至るまで、ニッパーもガードルも着けたことがありません。でも、お腹もお尻も締まっていて、オバサンスタイルではありません(^o^)
妊婦の太り過ぎと難産の関係/読者からの質問
「産婦人科で妊婦が太りすぎで難産になるのは、産道にも肉がついてしまうためと説明されましたが、本当にそんなことがあるのでしょうか?産道にまで肉が つくなんて、これは、超おでぶでもない限りないのでは?と思う のですが。 アメリカに住んでいると、日本人は、アメリカ人のような 超肥満はありえないので、まず、注意されないのでしょうが、本当 のところ、体重増減は、どの程度までならいいのでしょうか?」
骨盤=骨産道の内側に脂肪が大量に着くと、骨盤の内腔は狭くなります。すると、ちょうど排水パイプの内側に油やゴミがベトベトに付くと水の流れが悪くなるように、胎児は下降しにくなります。欧米人でも日本人でも超肥満女性には良く見られます。 日本人で妊娠期間中に18kgの体重増加で、黄色脂肪肝(フォアグラ状態)となり、肝機能低下を来たした人がありました。20kg以上の体重増加を来たした肝臓が正常なことはまずないそうです。同時に腎臓にも負担がかかることが多いようです。
京大病院では児への生体部分肝移植が頻繁に行われていますが、提供者は父母のどちらかです。母親が提供できない最大の理由は黄色脂肪肝、父親が提供できない最大の理由はアルコールによる肝機能低下なんですよ。両親がこうだと他の提供者を求めて海外に渡ったり、祖父母が提供したりと大変なんです。こんな夫婦って多いんです。 脳梗塞・心筋梗塞予防や、全身の活性酸素による酸化=老化の面から考えても肥満は命を縮めます。もちろん、シミや老人性ゆうぜい(首につく小さいイボ)も増えるし、美容にも良いはずがありません。
【関連記事】 女性の尿漏れ 女性の腰痛ケア NEWS 日本産婦人科学会総会でトコちゃんベルトの効果が 認められました。
2002年と2005年に開催された日本産婦人科学会総会で、妊産婦の骨盤ケアと、トコちゃんベルトに関係する研究が、下記の抄録のような内容で発表され、その効果が100%認められました。 もともとはSweetHeartを見てトコちゃんベルト を使用された方が、かかりつけの産婦人科医師に紹介し、その医師がベルトの効果に着目、研究発表へとつながりました。
この抄録を医学用語抜きで簡単説明しますと・・・・
妊娠をして、腰やお尻、恥骨などが痛む原因は、恥骨結合の緩みなど骨盤の緩みと関係が有り、診断方法として、恥骨結合の緩みは、お腹の赤ちゃんを見る超音波診断装置を使えば簡単にわかる。治療法として、トコちゃんベルトで骨盤を固定したら、テストをした全てのケースで効果があった。
この発表のすごいところは、痛みの原因の一つの恥骨結合の緩みを、超音波診断装置を使うことで医学的・科学的に、簡単に診断できる方法で発見されたことです。 つまり、妊娠中に腰やお尻、恥骨等の痛みを産婦人科の先生や助産婦さんに訴えると、「仕方が無い・・・・」「我慢するしかない・・・・・」「生まれたら直る・・・・」などは、通用しなくなったと言う事です。
恥骨結合は、妊娠すると緩み、出産のため分娩時に最大になり(そうでないと、自然分娩は出来ない)、その際に、母親の骨産道と児頭の大きさの関係で恥骨に離開が起きる人もいます。分娩のときだけでなく、最初の歩行時、最初にトイレに座ったときなどにも起きる人もいます。 回復の時間は、恥骨結合の緩みの程度や靭帯・筋肉の強さなどいろいろな条件で個人差があります。入院中に恥骨結合の緩みを診断する事で、個個人の回復に応じたケアやサポートの必要性をも示してもいます。
産後に、重症の恥骨結合離開を原因とする症状で苦しんでおられる方が時々居られますが、このような場合に適切なケアを要求できる根拠となる報告です。
妊娠中のケアはもちろんですが、産後に腰痛や尿漏れ、子宮下垂・脱等で苦しむ女性を一人でも少なくするために、多くの産婦人科医や助産婦さんに、この研究発表が受け入れられる事を願っています。
産婦人科の先生のほぼ全員が入っている学会ですから、発表の抄録も必ず手元に置かれているはずです。発表は一般演題P2-367ですから、切迫早産の兆候などの診断がされましたら、このように発表がされていることを先生にお話して、トコちゃんベルトでの骨盤固定をお試しください。 NEWS トコちゃんベルトの「産後の尿漏れ回復効果」が証明されました。 産後に「尿漏れが起きるのは当たり前」と考えている人も多いとが思いいますが、骨盤をケアしていけば「産後の尿漏れは回復する」という研究が、東京日立病院産婦人科の合阪幸三先生から2008年7月13日(日)の第44回日本周産期・新生児医学会及び学術集会で発表されました。中高年の女性の二人に一人が尿漏れで苦しみ、その原因が産後の骨盤底の回復にあるということがテレビや新聞で報道されていましたが、この研究発表は産後の骨盤ケアがその解決につながるものであることを示唆したものといえます。あなたのの健康のためにお役立ていただければ幸いです。
→学会発表抄録(pdf文章)
獨協医科大学病院産科/岐阜大学医学部付属病院産科/岡山大学医学部付属病院産科/東京日赤医療センター/まつしま産婦人科・小児科病院/聖母病院産婦人科/京都第一赤十字病院/京都第二赤十字病院/和歌山日赤医療センター/福島赤十字病院/大阪赤十字病院/沖縄赤十字病院/ 広島赤十字・原爆病院・産婦人科/札幌マタニティ・ウィメンズホスピタル/別海町母子保健センター/成増産院/さいたま助産院/千葉・巻石堂病院/神奈川・北村医院/長野・丸山産婦人科医院/穂 助産院/福井厚生病院/岡山大学医学部付属病院産科/三菱水島病院産婦人科/総合相模更生病院/鹿児島中央助産院/出水総合医療センター/その他多数
さらに詳しくトコちゃんベルトについて知りたい方は 、 今のように骨盤ケアという言葉が全く世に知られていない10数年前から女性の骨盤ケアの必要性とトコちゃんベルトの素晴らしさを信じて地道に啓蒙活動をしてきた 「こそだてドットコム」へどうぞ。骨盤ケアについて最もわかりやすく説明してありますし、トコちゃんベルトの全てを知り尽くした店長さん自らが個人的な質問にも答えてくれます。
●「お産婆さん」のさらしの腹帯を巻く技術を現代の科学的技術でアレンジしたもの。 (特殊素材の組み合わせと特殊な形)
●骨盤下部(骨盤輪・骨産道)はしっかりと固定できてお腹を下から支えるもの。
●さらしの腹帯のようにずれない・緩まない。ガードルのように締めつけない。
●妊娠早期から子育て期まで長期間・長時間の連続着用が可能。(延長ベルト使用)
●妊娠による腰痛など骨盤輪(骨産道)の緩みからくるいろいろな症状を緩和します。
●分娩直後から使用できます。