妻は子育ての大変さを夫に理解してもらいたくても、ここまでいわなくちゃわからないの?これだけ見ているのに分からないの?と発狂寸前です。けれども実際に本当にくわしく説明しているでしょうか。多くの妻は夫の悠悠自適な子供が生まれる前と変わらない生活を横目にみながら面と向かって自分の気持ちを伝えているでしょうか。また伝えた所で夫はどれほど理解できているでしょうか。
「夫はこどもが生まれる前から仕事が終わるとジムに行って汗を流して帰って来るんです。長い時間の勤務を終えた後でおもいっきり汗を流してストレス解消をしたい気持ちはわかるんです。こどもがいなかったときは私も仕事が終わるとエアロビックスなどへ行って汗を流して帰宅していたんです。けれども私は毎日1才半の息子を相手にもう発狂しそうなまでも振り回されてくたくたなんです。それでも彼は家に帰ってきて疲れたの一言を言って寝てしまうんです。彼は息子が生まれた前とあとではまったく生活が変わってないんです。けれど私はもうぼろぼろなんです。それでも彼はわかってくれません。」
「息子が2歳のときでした。帰ってきた夫がなんかうれしそうなんです。だからどうしたのと聞いたら今度奄美大島でお客さんとダイビングをするというのです。私はそれを聞いてカアッ~~~となってまな板を包丁で何度も何度も叩きました。今でもすごい跡が残っていますが、それをみるたびに私の気持ちを思い知れと間接的に言っています。」
「息子は本当に育てにくく、なんと4歳になるまで夜中必ず1回は泣いて起きたんです。もちろん母乳のときは私が起きておっぱいをあげなくてはいけなかったので私が起きなければいけない事には納得していました。しかしおっぱいが終わっても夫は一度として息子が夜泣いたときに対処してくれなかったんです。いつも通りに決まった時間に寝てしかも朝さわやかに起きていたんです。土日も同じです。そして一度くらいは起きてと言っても息子が泣いていることすら気が付かなかったと言うのです。さらに次の言い訳がおれは明日仕事がある、おまえは家にいるんだからいつだって昼寝できるだろうというのです。すべてが二言目にはおまえはいつも家にいるんだから自由な時間がたくさんあるだろというのです。しかし息子が昼寝をしている時に私は夕飯の支度だとかこどもが寝ているときでないとできない電話などがあっていっしょにのんびり昼寝なんてしていられませんでした。しかも24時間オンコールの働き詰めなんです。休めてもこどもがそこにいれば本当の休みではありません。何かあったら動かなくてはいけないのは私なんです。だから休みがまったくないのです。彼は少なくとも土日は仕事から解放されています。しかし私は土日も夏休み中も子育ての責任から開放されないんです。」
これらの声を聞くと、彼女達はしょせん言ったところで何が変わるわけでもないしと言います。おそらく言い方がいやみにしか出てこないのかもしれません。そしてそのいやみや不平を聞きたくないがゆえに夫たちはさらに家から足が遠のいてしまうのではないでしょうか。いやみにしか聞こえないのなら言わない方がいいと思い、さらに我慢することが美徳とすら思っている人もいるかもしれません。
おそらく夫らは1,2歳の子どもと1日中、毎日生活することの大変さを理解していないのだと思います。口で説明していてもせいぜいやさしい夫で「大変だよね」とねぎらいのことばをかけるだけです。助けてくれても遊んでくれるだけ。いやなことになるとすぐママにバトンタッチ。
「あれ、なんかくさいぞ」
「ねえ、なんとかしてよ、全然泣き止まないよ。」
そして結局妻がうんちのおむつを替える、おむつからもれたうんちが洋服についてそれを水洗いし、新しい服を着させる、あるいは眠い子どもをおんぶして昼食の準備をする。そして夫はどうでしょうか。ああやれやれとまたテレビの前で柿ピーをぼりぼり。そのような光景ではないでしょうか。そこで我慢も限界をつき、かあちゃんが爆発。
「どうしてちょっとくらい手伝ってくれないの!!」
「あなただって親でしょ。私一人でこの子作ったんじゃないのよ、責任もってよ。」
まだ爆発できる妻は救われると思います。しかし妻の中には、こどもがかわいいから仕方がない、とか彼は疲れているんだから私がここで我慢すればいいことなんだとよき妻、よき母親を無理に演じようとするからその我慢が自分の中に蓄積されていきます。それよりもそんなことを考えている暇もなく、次から次へとやらなくてはいけないことが並んでいるのが現状です。だから送り送られていつか爆発するのです。
ちょっとでもこどもを見てくれたら、いやちょっとでも家事をしてくれたらどんなに楽か。けれど言わなくては分からないのです。わかっているはずと思いこむのは禁物です。わかっているのに動いてくれないと信じては自分を追い詰めるだけです。相手はわかっていないと思い、妻は相手を攻めるのでなく、素直に気持ちを伝えたほうが伝わるのです。我慢をしていてはこどもに伝わります。場合によってはこどもに当ります。自分もさらにつらくなるだけです。体にも悪いです。
わかっていないとは本当に分からないのです。具体的に何をしてほしいのか言わなければ、うんちのおむつをどう取るのか、それをどこに捨てるのか、新しい服はどこにおいてあるのか、普段やりつけていないとそのような細かいことが父親はまったく分からないのです。
あとは頼み方次第です。そして次のステップはその大変さが理解できた上で、父親の意識を変える事です。つまりお手伝いではだめで、協力でもダメで、大変だけれども一人だともっと大変だから、二人でやれば子育てももっと楽しいからいっしょにやろうなのです。あとは実体験ですね。「あなた、じゃ、今日一日よろしくね。」と彼にすべて任せてみましょう。きっとあなたの大変さを心底わかってくれるはずです。そして外で働くほうが楽だなんて思うかもしれません。
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