母親も自分の世界を持つこと

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 こどもだけが自分の人生、今の自分の生活のすべてがこどもと思っては危険です。こどもからすればそれはちょっと息苦しいかも。夫婦がありその基盤の上にこどもがいる。自分の人生があり、その人生の一部に子ども達がいる。さらに家庭という場以外にも自分でいることができる世界があるということが大切だと思います。それが仕事であってもよいでしょう、何かを教えるということであってもよいでしょう、ボランティアでもよいでしょう。しかしできたら子どもの世界とは離れた、あるいは子どもの学校からは離れた世界であればより理想的です。つまり~ちゃんのお母さんを超えた部分で名字に取りかたまらない名前で呼ばれる自分のいる世界を持つことです。

ふと気がついたら、夫以外の男性と話していない最近の自分に気が付きませんか。たとえインターネット上の意見交換でも夫以外の男性の意見に耳を傾けることは大切だと思います。それを通じて自分の世界が広げることができるのなら、さらに夫婦のあり方において方向性が見出だせるのであればおおいに人類の半分もいる男性に意見を求めましょう。女性ばかりで、母親ばかりではしょせん偏った世界での話し合いにしかとどまらないような気がします。何か悩みがあったり、愚痴をこぼしたいときにもちろん夫もよいでしょうが、夫にも言えない場合、打ち明けられる誰か人がいることは本当に必要です。話すことでかなり気持ちが整理されることもあるからです。さらに違う立場から意見を言ってもらえることができたら、人生そう絶望的でないことにすぐ気が付くでしょう。生きる力もわいてくるはずです。

さらにこども以外の世界をもっと広く広げられたらと思います。もし英語や他の外国語でコミュニケーションができるのであれば地球の裏側ではどのような価値観が息づいているのか、どのような生活があるのかなど視野を広げて自分の存在を確かめられるようになるといいですね。子どもも小学校に上がればだいぶ自分の時間もできてきます。その時間を何かの活動に生かす、社会に出て自分なりの仕事の仕方を模索してみるなど自分が成長できる世界、自分が生かせる世界が見つかると毎日の生活における充実感の割合が変わってくることに気がつくでしょう。



「私はこどもが学校から帰ってくる頃には必ず家にいるようにしました。それがよい母親だと信じていました。しかし仕事を始めてから、必ずしも3時前に自宅に帰れないことがあることも分かりました。それでもこどもは私が不在の間に洗濯物を取りこんでくれたりといろいろと協力し出しました。今まではすべて洗濯物をたたむことも引出しに入れることも私がしていました。つまり私の時間は本当にこどもや夫のためにほとんどが費やされていたのに気が付きました。さらに仕事を始めてからは夫の疲れが分かるようになり、お金を稼ぐということの厳しさが分かり、人間関係の難しさも分かり、今まで以上に夫にやさしくなれるようになったと思います。そして会話も増えました。会話の内容も変わりました。今まではこどものことやこどもの愚痴などが中心でしたが、今では会社の話、出会う人達の話で私の視野はだいぶ広がったのに気が付きます。

こどものためにと思ってこの子達のために時間を費やしてきた10年でしたが、もうこれからは自分のためにもう少し生きて行くということを認識しながら子ども達の成長を見守りたいと思います。」(こども10才、14才)

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