日本では多くの人がたった一人の子どもを育てるのもたいへんだと思っているのに、このOctomom (8人の子どもを産んだアメリカ人の母親)は14人の子どもを一人でアメリカで育てている。いったい彼女はどのような心理の持ち主なのだろう、とみんなが興味を持つところである。最近、彼女の特集がテレビで放映された。私は途中まで見て、目が回ってしまったので最後までは見なかったがさすがに考えさせられる彼女の存在だ。
まず彼女はもうすでに6人の子どもを育てていた。今回は8人いっぺんの妊娠だが、以前には双子が6人中に生まれている。一番驚くことはこの14人ともすべて人工授精によって生まれていることだ。つまり彼女はいくつかの受精卵を冷凍保存してあり、それを少しづつ妊娠したいときにからだに入れていったのである。
今回は6つ体内に入れ、そのうちの6つとも全部着床した。しかもそのうちの1つは双子として1つの受精卵が分かれたのだ。そのために8人の妊娠となったわけだ。そして、子ども達の父親はみんな同じ父親らしい。そして彼女はシングルマザーなのである。仕事はしておらず、もうすでに6人の子どもを母親の家に同居しながら、生活保護のもとに育てていた。この先どのようにこの子ども達を育てていくのかと、彼女の母親は喧々囂々(けんけんごうごう)の批難である。
それでも彼女は一人っ子としてさみしい子ども時代を過ごしたからとか、子どもは地域のみんなから協力を得て育てるからなんとかなると信じている。実際に reality show (ドキュメンタリー)を始めたり、それなりに収入は入ってきているように思える。決して頭も悪くないようである。そもそも職場での injury(怪我) をきっかけに workman's compensation (職場でのけがと判明するとお金が支払われる)でかなりの額を得たようである。それを利用して大学へ行ったりした。今の計画では子ども一人あたり1日250ドルも reality show で入ってくるという。
ほかにも目を引くことがある。それは子ども達の名字が Solomon といって、それは離婚した彼女の元夫の名字でもなければ、彼女のSuleman でもないことだ。First name のほうはほとんど聖書からとった名前である。
彼女はナニーを雇っていて、大きな家を買い、背中に新しくイレズミを入れた。ああ、私が払っている税金がこのような形で使われているかと思うと複雑な気持ちである。けれども現実的にどうやってこの子たちを育てるのか?Child Protective Service(子どもを守る組織)はneglect (子どもをちゃんと見ていない)がないか、目を光らせている。秋には彼女は大学に復学するという。子どもをもうけるということはある程度の親としての責任があるものだ。これも technology (技術)の発達がもたらせた結果といえるだろうか?