運命の足音


五木 寛之 (著)

昭和20年12歳。広大な中国大陸に孤児となり取り残小さい弟の手を引き、地獄絵のような状況の中を日本に引き揚げてきたされた五木寛之氏の自伝です。その記憶はあまりに辛く、長く語ることも振り返ることさえもできなかった著者が、時を経て初めて振り返った過去の中で人の心、人生の選択と決断、生と死、運命などについて綴った非常に深く考えさせられるエッセイです。

おすすめ本で紹介している「大陸の花嫁」は20代のごく普通の女性が母としての立場から語り、「赤い月」は位の高い者からの目で、そしてこの「運命の足音」は当時12才の子どもの目から、戦争、引き揚げが語られています。どの立場から語られていても、悲惨な歴史の1ページです。

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