運命の法則

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運命の法則「幸運の女神」と付き合うための15章ロボット犬『AIBO』の生み親が教える、幸運の育て方ソニーの第一線で活躍し続けている科学者が、研究生活を通じて発見した"目に見えない流れ"に乗るためのヒント

毎年、日本に帰る度に旧友が一冊本をプレゼントしてくれるのですが、今年の一冊がこの本でした。サブタイトルだけを読むと、ちょっと経営者向けのお堅い本に思われがちですが、十分子育てや毎日の生活にも役立つ知恵がたくさん盛り込まれています。

特に私が惹かれた部分は"「内発的報酬」による人生"について書かれている部分です。

人間は、おぎゃあと生まれてから、自我の確立にいたるプロセスがある。それは初期自我(自分の本能、感情、思いがストレートにそのまま行動につながらう)、中期自我(親のしつけや他の大人から受ける社会的規制から、良心や道徳観のようなものを内面化し、そのコントロールが強くなる。親や大人のコミュニティーに対して、被保護-服従-依存の関係を保っている)、後期自我(反抗期などをへて、親に対する依存関係を解消し、精神的な自立を獲得する)、成熟した自我(世俗的な評価はあまり気にせず、心の底からこみ上げてくる喜びや楽しみ-内発的報酬-に素直に身をゆだねるようになる)の四段階で、筆者によると最後の成熟した自我まで行き着く人はまれだそうで多くの人は後期自我の段階で止まってしまっているそうです。

つまり多くの人は「外発的報酬」中心の人生を送り、金銭、地位、名誉などに向かって、しゃにむに突進する、それに成功すると、社会の指導層に登りつめる理性的な自我ということです。

今の社会は、小学校の教育から、精神的自立を叩き込まれ、後期自我へ早く到達できるように
できている(特にアメリカでは)けれども、成熟した自我に到達するためには、欲得抜きで何かに夢中になる経験が必要だと説いています。つまり世俗的な評価をもたらす結果を考えずにプロセスそのものを大切にする姿勢こそが成熟した自我への道だというのです。(日本の場合は、かつでの企業や上司べったりの依存型経営スタイルにより中期自我にとどまった一生を過ごす人が多かった一方、能力主義ではなかったために内発的報酬によって動く機会も多く成熟した自我を持つ人の比率も多かったということです。・・・「プロジェクトX」に登場する人物達は、後者が圧倒的に多いと感じます。)

内発的報酬によって行動できる人間、成熟した自我を持った人間を育てる・・・これは、まさに私達が子育ての究極のゴールとして考慮すべきことではないかと思いました。

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