帰国子女デーモン小暮閣下いわく

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知り合いから頂いた雑誌の中に面白い話がありました。デーモン小暮閣下(悪魔の格好をして出てくる芸能人)は、帰国子女なのだそうです。そして閣下曰く「我輩はニューヨークの小学校にいたから、LとRの発音の間違いとか、そいういうことはない。ただし、途中で日本に帰ってきたから、我輩の英語はコドモがしゃべる英語である。だから、向こうのヤツから見れば、発音は悪くないが、しゃべり方がコドモである変なヤツと見るであろう。」

なるほど、と思いました。

日本の外資系企業で働く友達に聞いた話しですが、去年採用した帰国子女の男の子が敬語を知らなくて社長にまで「コーヒー飲む〜」とか、コピーを頼まれると「いいよ〜」とか言ってしまうのだそうです。基本的に、英語で会議が行われる英語優先の会社なので、「変なヤツ」と思われる程度で問題ないそうですが、以前勤めていた日本企業では、やはり言葉の問題で居づらくなったために転職して来たのだそうです。

(もちろん、素晴らしい日本語や英語を話す帰国子女もたくさんいると思いますし、実際そういう方を知っていますが、今回は、そうでない例として書きましたので、帰国子女の方、帰国子女のお子さんをお持ちの方、お許しください。)

こんな例もあります。

知り合いの流暢な日本語を話す屈強なアメリカ人男性は、ガールフレンド達から日本語を習ったことは明らかで、話し方のイントネーションがやけに女っぽいのです。たまに「エーうっそ〜〜!」などと黄色い声を発するので苦笑してしまいます。教わる人がちょっと間違っていた例ですネ。

両親の駐在でアメリカ生まれのある男の子。生まれた時から、触れる日本語は、ほぼ、お母さんの日本語のみだったので、日本語はとても上手なのだけれど話し言葉が女言葉。「ワタシ、なになにナノヨ。」となってしまっていました。この場合は、お母さんが、やはり気をつけて女言葉を使わないように育てることが大切かと思います。

そうでないとデーモン小暮閣下いわく「しゃべり方が女である変なヤツ」になってしまいます。

名は体を顕すと言いますが、その人の遣う言葉も正に体を現すので注意しなければいけないと思います。

「しゃべり方が美しい素敵な人」の例もあります。

友人が、日本の占領下に日本語教育を受けた台湾出身の老婦人と話をしたら、彼女の日本語が、今は死語になったような言葉も使いこなしつつ、それはそれは美しい響きの日本語だったそうで、昔の日本語はこんなに美しかったのか、と感動したそうです。多分、この老婦人は、大変素晴らしい日本の先生に恵まれていたに違いありません。(私が台湾にいたころ、日本の占領下で教育を受けた日本語の大変流暢なご老人に多くお会いしたのですが、明らかに軍属の傲慢な人間から教えられた(叩き込まれた?)のではないかと思う、乱暴な言葉を、そうと知らずに使っている方もいて心が痛んだものです。)

一度身につけた話し方の癖や言葉遣いを途中で修正するのは大変なことです。オードリ・ヘップバーン主演のクラッシック映画“My Fair Lady”のイライザがヒギンズ教授の元で、時には涙を流しながら上流階級の英語を身につけ、やがては蝶のように羽ばたいていく姿を思い出します(この映画見られたことのない方、とても素敵な映画なので是非見てみてくださいネ。)母語であっても、修正は大変難しいのです。いわんや外国語をや・・・です。

「正師を得ざれば学ばざるに如かず」 (大意・・・よき人生の師に出会うことができなかったら、むしろ 学ばないほうがいい)、とまでは言いませんが、語学に関しても師は選びたいものだと思います。

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コメント(6)

そうそう、帰国子女でこういう問題ありの人いっぱいいます。周りの日本人は、彼らの発音に負けて(?)「おかしい」と、教えてあげられないのかしら?発音がいいだけでちやほやしてしまう環境も、ダメなんですよね。

英語が母語の主人も昔はよく言っていました。発音だけはバリバリだけど子供みたいで、変だって。英語ニュースの解説だかをやっていた某タレントの(最近見ませんね)コメントが、ニュースの内容とはかけ離れたお粗末さで、「一体誰のための番組?」って嘆いていました。

英語の分からない人が番組を作るとこうなるわけですね。

なるほど、やっぱりそうなんですね。多分あのタレントですね。

母国語同士だと、たとえばテレビ・タレントなどの、話し方で、すぐに、その人の稚拙度とか博学ぶりとかが、すぐにわかりますよね。

でも、おっしゃるように、たとえば外国語の場合、発音がうまいと、それだけでイコール「英語上手!」と尊敬の眼になってしまい、話している内容の稚拙さ、話し方の品のなさ、学のなさなどは、気づかないことが多いですよね。でも、これは仕方のないことだとは思いますが・・・。ただ、本人が自分の使っている言葉の稚拙さに気づいていない場合が一番気の毒かと思います。

今回の文章からは一度入れて省いてしまったのですが、昔の日本人の同僚(アメリカのオフィスで)が英語は高校の時から留学してきていたということで大変流暢なんですが中学生のような英語表現を連発するんですね。セールス関係の仕事だっただけに苦労していました。

最近、私自身が気にしていたことがトピックでした。

私自身は日本育ちで発音も何もかも下手な英語を話すので、かなりおかしな表現や変な単語を使っても相手も心得てくれてると思います。
でも、子供達はどうなんでしょう?アクセントはネイティブそのものですし・・・先生、先輩や友達との話言葉はちゃんと使い分けられているのでしょうか。
日本語に比べると英語は敬語等の表現が少ないと思いますが、実際中学生と大人の話し方の違いがよくわからない親である私は注意のしようもないのですね。

話し方とは少し違いますが、G7の息子の友達からの電話がよくかかってくるのですが、自分の名前も名乗らず「○○いる〜?」といきなり言う子が殆どです。このような事は勿論、私でも子供達に注意できますが・・・

ただ、日本育ちでも全然敬語等を知らない若い人も結構沢山いますね。その場合に感じていたことは、言葉遣いはちょっと・・と感じてしまっても、態度や性格でマイナス面もカバーできるなあということです。彼女のカジュアルな言葉遣いのお陰で私自身、職場で15年近く年下の子達と仲良くできた経験もあります。

言葉って本当に奥が深いですね。

確かに、日本語の「ですます調」は、年齢の壁を作りますね。英語だと、10歳以上離れていても、年齢に関係なく、最初から打ち解けて話せたりしますが、日本の場合、一度先輩、後輩の間柄ができてしまうと、ですます調を崩すことができなくて、たとえ1歳しか離れていなくても、なんとなく堅苦しい間柄から抜け出せなかったりしますものね。

言葉って、本当に奥が深いですよね。

いつも楽しく読ませていただいています。言葉というのはその年代年代で配慮する事柄が違うために言い方が微妙に違ったり、自己主張の仕方が年代によって違ったりするから、本当にその通りだろうな〜と思いながら読みました。私の姉も思春期に海外に1年くらい留学していたのですが、彼女の英語もネイティブの人に聞いてもらうと「若い子が話すしゃべり方だ」と言われたことがあると言っていたのを思い出しました。言葉って同じことを伝えようと思っても背景が付いてくるものなんですね。おもしろいです。

ふみふみさん。なるほどーお姉さんがそうでしたか。多分、ティーンの独特の話し方が身に付いていたのでしょうね。確かに、うちの息子が今15歳で完全にティーンの話し方です。モゴモゴとわかりにくいんです。友達が皆同じような調子でしゃべっています。女の子はLikeの連発。いつか、このようなしゃべり方を卒業するときが来るのだと思いますが、それこそ留学などで、この時期だけで英語を習得した場合は、自然には大人のしゃべり方への移行ができないんでしょうね。

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