佐賀のがばいばあちゃん
島田 洋七
評判に違わない最初から最後まで涙あり笑いありで感動とともに一気に読める本でした。漫才コンビB&Bでギャグ「もみじ饅頭!」で一世風靡した島田洋七さんの子ども時代の実話です。
昭和33年、広島から佐賀の祖母の元に8歳で預けられた洋七少年(本名:昭広)と祖母との明るいド貧困生活と人情あふれる周りの人たちとの交流の思い出を綴ったものです。
たとえば、剣道や柔道がやりたいと言う洋七少年に、おばあちゃんは、お金ねがかかるなら「やめときんしゃい」と一言。スポーツがしたいなら「走りんしゃい」「走る地べたはタダ、道具もいらん」と言うばあちゃん。その言葉に乗せられて毎日グラウンドを走り続けた洋七少年は学校で一番足が早くなります。
皆が貧しい時代だったからこそ、ありえた話のような気もしますが、それにしてもばあちゃんの生き方には十分学ぶものがあると思いました。
特に、おばあちゃんの名言の数々が光っています。
「悲しい話は夜するな。つらい話も昼にすれば何ということもない。」
「人に気づかれないのが本当の優しさ、本当の親切。」
「ケチは最低!節約は天才!」
「時計が左に回ったら、壊れたと思って捨てられる。人間も昔を振り返らず、前へ前へと進め
!」
冒頭に書かれていた「幸せはお金が決めるんじゃない、自分自身の心のあり方で決まるんだ。」と言う洋七さんの言葉を納得させてくれる内容の本でした。
もともと、この本は請け負ってくれる出版社がなく自費出版するも、売れずに廃刊になっていたものが、徹子の部屋で紹介された途端、問い合わせが殺到。現在に至ったそうです。小学生でも高学年位なら読める本じゃないかと思います。
吉行和子さんが、ばあちゃん役で映画も公開されたそうです。
http://www.gabai-baachan.com/
SweetHeartのお薦め本リストはコチラ
http://www.sweetnet.com/bookj6.htm/