「都会の孤独」などと言う言葉をよく耳にしますが、The New Yorkerという雑誌に「実は都会人の方が孤独ではない」という興味深いコラムが掲載されていました。
http://nymag.com/news/features/52450/("The Loneliness Myth--Alone Together)ニューヨークのマンハッタンでは、なんと一人暮らしの人は二人に一人で、全米3141カウンティーの内、断トツ1位なのだそうです。ところが、NY州の自殺率は6.2%とアメリカで3番目に低く、さらにマンハッタン内はさらに低い5.4%。
そもそも自殺率が高い町というのは、統計的には人口密度の低い町なんだそうです。アメリカで人口密度の低い州は、Montana, Nevada, Alaska, New Mexico という順番で、自殺率の高さもこの順番どおりだそうです。
都会のひとり暮らしが、それほど孤独ではない一つの理由は、都会と言うのは、一人でいても外に一歩出れば色々な刺激があり、人と触れ合う機会があるし、独り者が多いだけに、どこかゆるい同胞意識がある。一人でもそれほど孤独を感じないということです。
ある社会学者によると孤独に陥りやすい人は、たとえば結婚し、その土地に根付いて、子育てをし、やがて子育てを終え、年をとり夫を失い、子どもも遠く離れ、隣近所の世代も変わり、または老人コミュニティーなどに引っ越して、社会的にも人種的にもほとんど共通点のない人達のに囲まれて暮らすようになった場合だそうです。これは、身につまされます。私の場合、日本人のほとんどいない、この刺激のない郊外で、このまま子育てを終えて、未亡人になり、老人ホームなどに入ったら・・・考えただけでゾッとします。
ちなみに自殺率とは10万人あたりの自殺者の数から出す率でWHOの2007年11月のデータによると
アメリカの平均自殺率11%(43位)
日本24%(9位、先進国では1位)
余談: 「断トツ」という言葉
「だんとつ」の漢字は、断然突出しているから「断突」かと思っていたのですが、漢字変換しても出てこないので、辞書で調べたら、「断然トップ」から来ていました。知らなかった!ビックリ。
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