鑑賞後、今こそ多くの人に見て欲しいと思った1982年に公開された映画です。当時、話題作として私も見たのですが、あの頃は、平和とか人種差別とか宗教対立とかに全く無頓着だったので、長くて退屈してしまったことしか覚えていません。
でも、最近SweetHeartのトップページでガンジーの日替わり名言を掲載していて、その言葉の一つ一つに真理があると敬服の念が募って来ていたので、改めてガンジーの人生に興味を抱き、映画を取り寄せて見てみたのでした。
今回は長いなどとは全く感じず、最初から最後まで彼の人生の軌跡に感動しました。普通1980年代あたりの映画を見ると、なんとなく古臭い、テンポが微妙に違う、という感を否めないのですが、この映画に関しては、全くそんな印象はありませんでした。
イギリスの支配下のインドで超エリートの家庭で生まれ育ち弁護士となった若きガンジーが、南アフリカで電車の一等車への乗車拒否にあったことをきっかけに人権問題に目覚め、さらに「非暴力」の思想を確立、それを自らの命を賭けて徹底実践してインドを独立に導くまでを描いています。
一等車への乗車拒否をされた出来事が1893年と言われていますが、つまり今から100年も前に、ガンジーは人種差別という屈辱を体験し、人権問題に目覚めたということも、すごいと思います。
アメリカのアラバマ州で一人の黒人女性ローザ・バークスがバスで白人に席を譲るのを拒否して逮捕され、それに対してマーティンルーサーキング牧師が抗議運動を起こすのが1955年ですから、その60年以上も前にガンジーは静かな戦いを始めたことになります。(キング牧師はガンジーに啓蒙されて非暴力主義を提唱。)
世界では今も、経済大国の人々による弱小国の人々への搾取、人種差別、そして宗教争い(ヒンズー教Vs.イスラム教)と、100年経っても形を変えて同じ問題が存在し続けています。残念ながら多くの映画は娯楽消費物として、話題性を失い、ほんの一部のものを除いては完全忘れられてしまいます。「ガンジー」もそんな忘れられてしまった映画の一つだと思いますが、今また是非とも多くの人に見て欲しい映画だと思います。
ガンジーの名言
●I like your Christ, I do not like your Christians. Your Christians are so unlike your Christ.
●Poverty is the worst form of violence.
●Each one has to find his peace from within. And peace to be real must be unaffected by outside circumstances.
●Strength does not come from physical capacity. It comes from an indomitable will.
●A 'No' uttered from the deepest conviction is better than a 'Yes' merely uttered to please, or worse, to avoid trouble.
●Nearly everything you do is of no importance, but it is important that you do it.
●Satisfaction lies in the effort, not in the attainment, full effort is full victory.
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