子どもには、絶対に英語ペラペラになってほしい…と願うパパ、ママはたくさんいると思います。ここで紹介するのは、日本に住みながら、または、アメリカで暮らしながら実際にバイリンガル教育を試みたパパ、ママ達の成功例、失敗例も含めた経験談です。
子供がしゃべりたい、コミュニケーションをとりたい、
と思う気持ちが大切
By yukibo
「バイリンガル教育」のコーナーの冒頭のレポートを読んで、我が家の5才になる息子が日本に里帰りした時のことを思い、なるほどな、と妙に納得してしまいました。うちの息子は言葉が遅かったため、今まであまりバイリンガルを意識せずにきました。以前は多少の日本語の単語(動物の名前等)を言っていたのですが、アメリカのプリスクールに通わせているのもあって、いつの間にか全て英語になっていました。しかし、昨年、里帰りを前に少しは日本語をしゃべらせたいと思い、機会あるごとに「日本語でしゃべってごらん」、「ほら、知ってるよね。ネコ。ネコって言ってごらん
」と私が言っても、息子は「No!
Cat」と、ガンとして言えるはずなのに言ってくれませんでした。
ところがどうでしょう。日本についた三日目ぐらいから、会話の中に日本語が混ざり始め、たった1ヶ月の滞在で、アメリカに戻る時は90%が日本語(もちろん流暢にはしゃべれませんが)になっていました。息子もきっと必要に迫られたのでしょう。おばちゃんやおじちゃん、おじさんと理解し合える言葉を使ってお話しがしたかったのでしょう。このことがあって、半ば諦めていたバイリンガルの道も今からでも遅くはないと、やってみる気になりました。何より子供にとって、必要なのはおしきせの語学教育ではなく、本人がしゃべりたい、共通の言葉を使ってコミュニケーションをとりたいという気持ち、意欲なんだ、と思いしらされました。
今、息子は再び英語中心の生活に戻ってしまいましたが、日本語をしゃべるお友達の中では自然と日本語もでるようになりました。日本語で返事が戻ってこなくても、いつかまた必要な時に簡単に取り出せるように、私が日本語で話しかけ、インプットし続けるつもりです。そして、両方の言葉のグループに常に子供達を属させてあげることが、私のバイリンガル教育です。
A Parents' and Teachers'
Guide to Bilingualism
by Colin Baker
子供をバイリンガルにするために家庭でできること
両親がネイティブ・スピーカーでない場合で、親の語学能力以上の
外国語を身につけさせるためのアイデア
- 子供が外国語に触れらる機会をできるだけ増やす。
- 外国語を話す他の子供達とプレーグループを作る。
- 外国語で書いてある本を読んであげる。
- 車の中で子供の音楽を聞かせる。
- ビデオを見せる。
- 子供と外国語を使ったゲームをする。
子供に外国語を学ばせるにあたって、親自身がその外国語に興味を示し、学ぶ姿勢を示
すことも大切です。そのために、親がすべきことは・・・
- 夜、子供と一緒に歌える外国語の歌を学ぶ努力をする。
- 知らない単語を毎日二〜三個ずつ調べる。
- 文法書を復習する。
- 一日に少なくとも2〜3分、(外国語)の本や雑誌を読む時間を作る。
- 読書中にわからなかった単語をすぐ調べられるように、常に辞書を手近に置く。
母国語は家庭で、外国語は家庭外で学ぶという考え方は、間違っています。なぜなら親の
態度、励まし、興味が子供の外国語(第二言語上達)において非常に大切だからです。親
の姿勢が、前向であることが大切なのです。また、子供が、第二言語を使用した時には、
ほめてあげることも、とても大切です。
子供に外国語を学ばせるにあたって、親自身が外国語学習に興味を示し応援することは非常に大切ですが、あまりに熱を入れすぎてしまうことは危険です。このことは、子供に第
二言語を学ばせようとする全ての親が気をつけなければならないことです。
言語学習とい
う子供にとってはゲームのように楽しいはずのものが、あまりに厳しくなり、罰則がきつ
くなりすぎるやいなや、こどもは創造力も、学習意欲も失せ、親の押しつけに対して防御的になり、さらにそれが親子間の戦争へと張ってしていくのです。親が一時的な小競り合
いに勝つことがあっても、戦争自体に勝つことはありえません。なぜなら、外国語教育の
成功は、親子の協力によってしか勝ち取りえないからです。
外国語上達には、インターアクティブ(相互作用:かかわリ合い)であることが重要
もし、英語を使用しているテレビの前に座らせっぱなしにしたり、家庭内で英語のカセッ
トテープをかけっぱなしにしても、幼児は英語を話せるようにならないどころか、理解さ
えもしないでしょう。このような受動的な外国語との接触はある程度、子供を刺激し、後にその言語または他の外国語を正式に学ぶことになった時に、言語習得能力を増加させうるかもしれません。
でも、第二言語で実際にコミュニケ−ションできるようになるためには、子供はその言語をインターアクティブ(一方通行でなく、その言語を使って実際に人とかかわりあるということ)に使用しなければなりません。外国語の使用がよりインターアクティブであればあるほど、子供はその言語を習得します。
たとえば、母親がドイツ語を話すのを聞いてはいるが、ドイツ語で答えることを拒絶する子供は、母親
から同じ位の量のドイツ語を聞き、さらにドイツ語で答えようとする子供ほどには、言語が発達しないでしょう。
子供の言語習得能力を最大限に引き出すには、子供がその言葉をインターアクティブに使うよう、親ができるだけクリエイティブな学習法を見つける必要がああります。たとえば、第二言語で本を読んであげる時に、本の内容について質問したり、遊んでいる
時にも子供の気持ち、意見、興味などを第二言語で表現するように質問したりするのです
。
「Sweet Heart」ゲストブックから
見ました 投稿者:S.L.Leisibach-Fukui 投稿日:03月04日(水)08時08分24秒
HP拝見しました。我が家は私(日本人)と夫(スイス人/ドイツ語圏)と息子(6ヶ月)の
3人です。息子には日、英、独のtrilingual教育を試みています。bilingualでも大変なこと
なのに、さらに欲張って3つもというのはどうなるかわかりませんが、まあ、やれるだけ
やってみます。「一親一言語」の原則プラス、家族が揃えば英語にする、というルールです。
こちらではbilingual schoolもあるので、それも検討中です。
バイリンガル 投稿者:庄島 美香@Sydney
投稿日:03月05日(木)22時46分43秒
ちなみにうちの家庭での会話は日本語中心です。夫はスリラ
ンカ人で(あの国の人はたいていかなり高度な英語の読み書き会話ができます、強烈なアクセントだけど)
わたしもスリランカの言葉の読み書き会話が少しでき、3カ国語入り乱れてはいますが。家の外では当然英語ですが日本人の育児仲間がたんまりいて子供にとっていい環境です。
夫の日本語は癖のない流暢といえるものです。
夫に、子供にはスリランカの言葉で話し掛けてほしいと頼んだのですが、”恥ずかしい”
(なんのことやら??)といって日本語で話しています。もったいない。ちなみにインド、パキスタン、
スリランカあたりは
東方と西方の交わる地点で世界中の言語にある音(おん)がほとんどはいっているそ
うです。
5つの母音しかない日本語とえらい違いで、そのため、言語の聞き分け能力がすごくいいです。
日本人みたいにRとLがわからないなんてことがないのです。・・・・余談でした。
Bilingual School 投稿者:S.L.Leisibach-Fukui 投稿日:03月06日(金)20時17分01秒
由美子さん、こんにちは。 Bilingual Schoolにもいろいろあります。もともとスイスは国語が4つあるので、フランス語と
ドイツ語を両方使う州(フリブールなど)では、昔からそういう教育をしているそうで、ある程度
のKnow-Howがあるようです。
私が知っているところでは、英語が優勢な子供には、英語で英語と
数学を教え、ドイツ語が優勢な子供にはドイツ語でドイツ語と数学を教えます。こうしたCore
Subject とは別に、芸術や環境と人間などのImmersionと呼ばれる科目では、英語とドイツ語のnative
speaker
が一人づつ教師としてつきます。学年が上がるにつれて二つの言語の使用頻度が均等になるように、
カリキュラムを組むそうです。
ただしここは小学校までで、中学からは地元校に進学するか、英語のインター
ナショナルスクールに通うことになります。
学校としてはインターナショナルスクールの団体が要求している基準と、各州法で定められている教育課程
の両方を満たすように、授業内容は設定されるそうです。
でもスイスにある私立の学校は、授業料がメチャ高なのには最初びっくりしました。幼稚園で年間US.9,000、
小学校ではUS.18,000もします。他の国でもやっぱりこんなに高いんでしょうかねえ。
三カ国語バイリンガル MIKA……
スイスはお国柄大変だろうけどイマドキのバイリンガル事情って2つや3っつの言語がすらすら出来るのって当たり前みたいだよね。ドイツも私立になると学校の月謝はいきなりものすごく
高いです。公立(国立)のレベルがかなり一定してるし、進学システムが厳しいので私立に入るというのは
何か特別な意義でという場合が多いようです。息子は1歳3ヶ月ですが将来は最低3つの言葉を理解しなけれ
ばならなくなるでしょう。と、いうのも母(私)は日本人で日本語で接して、父(夫)はドイツ人でドイツ
語で接しています。
私と夫は南米で知り合ったことで結婚後もスペイン語で話し、共通の親友達、親戚に近
い人々が皆スペイン語を話します。今のところドイツにいるのでドイツ語、日本語を徹底していますが、年
に一度は南米にいき、年に一度は南米からの来客が来るなかで、親としてはやはりほんの少しでもしゃべれ
たり、興味を持って欲しいです。でも、親が興奮してフィーバーしちゃってあんまり強制するにも、将来の
ためと勝手にプランを決めるにも息子は小さいので、大きくなって必要に迫られたら徐々に学校のこと、考
えていこうとおもっています。ひとつの言葉(たとえば母国語)がしっかりしていて、常に探索され、進化
に鋭ければ、他の言葉は興味とイメージでうまくやれると思います。
レベル(指向)を高くと望むのは親の
経済力によります。本当にその言葉が好きになってくれたらきっと使いたくてウズウズするでしょう。私も
そのウズウズを体験したので息子にも体験して欲しいです。(これってやっぱ強制かな?)いずれ、近いう
ちにやってくるでしょう。今はとりあえず夫婦内だけスペイン語で話しています。
親が別の言葉だと子供が焼きもち? 投稿者:S.L.Leisibach-Fukui
投稿日:03月07日(土)19時35分30秒
mikaさん こんにちは。私の知人にもスペインで知り合ったのでスペイン語で話している
スイス人と日本人の夫婦がいます。でもここにいるスイス人日本人のカップルの大多数は
英語留学中に知り合ったので、ほとんどが英語で話しています。でも、「パパとママだけが
ボクにわからないことばでおしゃべりしてる!」と焼きもちをやくので、結局家族で話す
時にはドイツ語になった、という家族が多いです。
私としては焼きもちよりもmikaさんのおっしゃるように、「パパとママが話してるんなら
ボクも!」と興味を持ってほしいと思っています。うまくそっちへ持っていくことって、
難しいんでしょうかね。強制してどうなることでもないけれど、自然に興味を持ってくれる
と同時に、親がそうなるように、環境を整える(親も外国語に興味を示しつづけるとか)
ことも大切だと思います。何かうまい方法はないかなあ、といつも考えています。
もっと気軽に考えても良いのでは? 投稿者:Miwa
投稿日:03月08日(日)00時38分14秒
こんにちは。お国が違えば子供のバイリンガル教育に関する悩みもいろいろですね。
我家は私と夫が英語、子供同士は(娘2人)スイス語&日本語、私と子供は日本語、
夫と子供達はスイス語、と最低3カ国語が、家庭内で入り乱れています。
おまけに去年から、上の娘は公立小学校でドイツ語を学び始めています。
私達家族もS.L.Leisibach-Fukuiさんと同じく、スイスのドイツ語圏に住んでいます。
我家の娘達にかぎって言えば、あまり意識しないで言葉を使い分けているようです。
日本語は日本に住んでいる同年齢のお子さん達に比べれば、程度は劣りますが
なんとか今の所、普通に会話できます。最近は私たち夫婦が英語を話しているのに
興味を持ち、「英語ではなんていうの?日本語では?ドイツ語では?」と質問を受けます。
本人達にとって3カ国語も4カ国後もさほど違いはないみたいです。
私にしたらとても羨ましい事ですが。
スイスでは一般的に(ドイツ語圏)小学校上級生に
なるとフランス語が必須科目として入ってきます。そして中学ではイタリア語、英語が選択
授業として加わります。あ〜おそろしや。この現状を前に、どうやって子供達の日本語能力を
維持させるかが私のこれからの課題です。誰かがおっしゃっていた言葉が私の頭の中に
今でもあります。「財産が無い私が子供に残せる物は、私の母国語である日本語です。」
う〜ん!財産を残せないのは私も同じなので責めて日本語を子供に残してやりたい私です。
息子の幼稚園 投稿者:REIKO 投稿日:03月10日(火)11時03分22秒
子供は現在1歳5か月ですが来月からLocalの幼稚園に入ります。
子供がせっかく覚えてきた北京語に対して双方向コミュニケーションが出来ないのは問題があるので、私も中国語を勉強中です。
今までは日本語か英語でコミュニケートできる人としか付き合いがなかったので、台湾人の方とも限られた層の方としか深いお付き合いができませんでしたが、北京語や台湾語を習得すれば、さらに台湾社会で暮らしやすくなるのではという期待はあります。
以前息子は日本語・英語・北京語と同じように耳に入ってくる環境で
日本語や英語のビデオは好んでみていたのですが、北京語となると少し興味が散漫になるようだったので、私が北京語をあまり話さないからではないかと悩んだことがありました。
幼稚園については、私が産休明けから仕事を始めており、息子が保育園での集団生活も慣れているので特に心配はしていません。
その幼稚園はこじんまりした所だけれども、日本語の出来る先生もいます。
その園は9時〜3時なのでWMはいないので、3歳〜6歳がメインで
それより小さい子はほとんどいません。(託児所に行ってしまうので)
御勉強中心ではなく体を動かしたり遊んだり、個性を伸ばす教育を
しているところなのでとても気に入りました。
うちのこも体験入学させてみたのですが、とっても楽しく遊んでました。
私は子供に「海外生活」を前向きに捉えて欲しいと思っています。
だから親もそういう姿を見せるべきで、日本と同じ生活をしていては
私も仕事を中断させて、台湾に来た意味がありません。
主人は日本人ですが、ここにどれくらいいて、この後どこの国に行くのかはまだ分かりませんが(5年くらいだと言われてます)
彼にも台湾でしかできない経験をして欲しいと思っています。
まだ小さくても彼がここで生活したことが、生涯の糧になってくれればと願ってます。
子供も現地の子と遊んでいる方が伸び伸びしてるし・・・。
幼稚園 投稿者:びりけん
投稿日:03月10日(火)10時31分18秒
台北だと日本語幼稚園というのがあっていいですね。
新竹には台湾人の幼稚園しかありません。だから、日本人の子供は現地の幼稚園か
アメリカンスクールに行きます。
アメリカンスクールへは、3カ国語をしゃべる子に育てようという、親の野望から行かせた
方がいますが、言葉が判らないので子供がストレスを感じてやむなく断念したそうです。
両方日本人の親の子供も新竹では普通の幼稚園にがんばっていっています。
私立で給食だそうですが、どうも食べられないということで、お昼で帰ってきます。
ママも北京語があまり判らないので、幼稚園でプリントとか渡されても、判らないそうです。
だから、遠足の日とかも、知らないで普通に登園したところ、みんなに”私たちがお弁当も
おやつもあげるし、一緒に行こう!!”とさそってもらって、行ってしまったそうです。
”まあ、なんとかなるよ”と、ママはいっています。
でも、雨が降っている、とかいって週の半分は休んでいるそう。
私たちは両親とも日本人の親達でホームスクールのようなことができないか、最近考えています。
それも、こちらでは短期(2から5年)赴任者が急増しているからです。
でも、台湾人と結婚された、ママ達とは少し悩みの質が違うようですね。参考にならないかも。
言葉って… 投稿者:MinMin
投稿日:03月12日(木)20時26分58秒
まだ子供がいないのに登場させていただきます。
ベビーシッターみたいなことやってた時に感じたことがあります。
イタリア人のママから生まれた兄弟でした。
1歳上のお兄ちゃんは日本人のおばあちゃんの家で育ちました。
だから日本語しか出来ません。
けれど顔はお母さんに似ていました。
弟はお母さん子でイタリア語を喋りはじめました。
ところがお父さんが[日本語をしゃべりなさい]と叱ってから
言葉を出さなくなりました。
活発だったお兄さんの方も小学校に入ると顔の違いからいじめられました。
[ガイジン]と呼ばれ,イタリア人の母に反発しました。
一方,弟の方は失語症状態になってしまいました。
父親が家の中でイタリア人の母親に対してイタリア語を使っているのです。
母親べったりの子供が日本語が出来ずにイタリア語を選んでしまうのは
必然だったのです。 それを喋ることを禁止してしまった。
今,中学3年になる弟の方は学業についていけないと判断されているそうです。
言葉ってどうやって習得していくんでしょう。
本日,集まったママさんは全部日本人でしたが,
そこに来た子供達の父親はフランス,日本,台湾と様々でした。
それでも仲良く遊ぶ子供達を見ていると
[言葉ってなんなんだろう] と考えてしまいます。
私は子供が未だいないですけれど,
子供が出来たら広い視野を持った子になってほしいと思います。
言葉にはイデオロギーや政治的なものは介入してこないはずです。
何語が出来るからエライとか,そういうことは絶対にありえない。
私の生む子供は日本人でもあり,台湾人でもあります。
両親が日本人同士という子供に比べて若干状況は違うでしょう。
でも,国籍が同じであっても,どこの家庭でも親同士は元は他人です。
その両方の価値観を上手く折衷させながら子供を育てていると思います。
同国籍結婚であろうと異国籍結婚であろうと大事なことは
別の人の価値観を尊重するということでしょう。
安易に[自分は日本人だから]という考えを持っていると狭い視野でしか
ものごとを見る価値観しか育てないかもしれません。
何言ってんだか解んなくなってきました。
つまりは[うちは日本人同士だから相手が外国人の場合と違う]なんてことを
言われると
[そりゃ百も承知だけどね,うちの子供とあなたの子供はどう違うんですか?]
と聞き返したくなります。
良い教育の機会を与えてあげたいと思うのは普通のことだと思います。
お受験という意味の良い教育ではなく,人としてのです。
外見やバックグラウンドやらで排斥する人をイタリア人兄弟の時にいやというほど
見てきました。 彼らの傷ついた表情を見てきました。
彼らの母親がつたない日本語で涙するのを見てきました。
[違うから] と言い切ってしまうことは簡単です。
だけど,極端なもの言いをすれば人間なんて一人として同じ人はいないのです。
私自身がイタリア人の彼女と同じようなことになるとは
その時は思ってもみなかったけど,あの頃から日本人同士の結婚の母親が
無神経に[あ,あの子のママはガイジンだからね]
なんて言てるのを聞き,イヤな気持になってただけにそういう言葉に敏感です。
語学教育うんぬん,BILINGUALだ,TRILINGUALだ言う前に心の教育が大事って
思います。 まとまらなくてごめんなさい。
MinMinさん 投稿者:SweetHeart
投稿日:03月13日(金)04時35分57秒
私も、minminさんの御意見に共感しました。言語はあくまでもコミュニケーションに用いる
手段、道具でしかないわけですよね。やはり、いくらバイリンガルにしたくても、子どもの心を傷つけたり、親子のコミュニケーションがはかれないようでは、仕方ないですものね。
前にも書きましたが、「お父さんお母さんは、ぼくの(わたしの)しゃべる内容よりも、何語でしゃべるかの方が大切なんだ」って思うようになったら、親子の関係さえあやしくなりますよね。
何語でもいいから、家にいる時位、フラストレーションを感じない言語で思いっきり心の中のこと
を話してくれる方が大切だと思います。
という私も以前は、息子に「日本語でしゃべりなさい」と結構、言ってた方なのですが。(英語は
しゃべっちゃいかん、とは言いませんでしたが。)やはり、息子が最後は面倒くさくなって、話の
途中で「もういいよ。」と話を止めてしまうことがあったので、これはいけないと、もう何語で
しゃべろうとうるさく言わないことにした次第です。
そりゃ、バイリンガル・トライリンガル結構なことですが、子どもの心、親子のコミュニケーショ
ンが、やはり先決ですよね。MinMinさんの書いてくださった御意見は、そのことを、実に
よく物語っていると思いました。それに、今バイリンガル教育に失敗したとしても、もし、成長し
て自分でやる気になったら、その時でも絶対遅くはないですものね。私の知り合いのお嬢さんは、
両親ともに日本人でしたが、英語オンリーで育ち、大学に入ってから、日本語を勉強して、今では
立派な日本語をしゃべっています。日本に今たくさんいる変な外人タレント達も、皆、成人してkら日本語を覚えた人がほとんどじゃないですか?それでも、日本人以上に日本語を上手に操れるのですから。
子どもの日本語教育に行き詰まった時、日本語がしゃべれても彼の人生にとってもいかほどのもん
でもない。と自分に言い聞かせながら、気楽な気持ちで教えて行こうと意識的に努力してます。特
に、子どもはバイリンガルにという思い込みの強い方(私も、そのうちの一人でしたが、)Take
it easy!
幼児期からのバイリンガルの是非
(OCSNEWSNo.555 June 20, 1997 「ニューヨークの日本人教育事情」より抜粋)
“『タイム』誌97年2月3日号の特集で、最新の調査・研究結果を消化しているが、その中では、言語習得能力が養われるのに最も決定的な時期は、生まれた時から6歳位までの間であると解説している。この間に将来使用する言語の発達を促進するための窓くち(Window)が開かれており、単語をつなげて文章を作る能力発達の窓口は5〜6歳で閉じてしまうと考えられるという。
その後も他の言語を学ぶ能力はなくならないが、年をとるにつれて困難んいなっていく。一方で、新しい単語を覚える能力の窓口は一生閉じないことが確認されていることなどを紹介している。
これは世界中のどの地域に住む民族でも、ほぼ共通して5、6際頃までに母語の基本的な文法が完成する、という事実とも合致する。従って、学校教育(学習言語)開始はどの国も文法完成後の6才頃からになっている。
動物行動学によると、同じ種類の取りのさえずりでも「方言」があることが知られている。基本的なさえずりはトリの種類である程度先天的に決まっているものの、さえずりを覚えるのは生後ある時期の決まった期間だけで、その期間が過ぎてしまうとまったく覚えることができなくなる。
これを「感受機」と呼ぶが、アメリカのレネバーグは、失語症の回復過程が大人と子供ではまったく違う経過をたどることを主な根拠に、人間の言葉の学習にも「感受機」があることを発見した。脳になんらかの損傷を受けて失語症になっても10歳以前であれば治ってしまう場合があることから、人間の感受機は10大の始め頃までとした。異論もあるが、おおかみに育てられた有名なアマラとカマラがほとんど人間の言葉を覚えなかったことを裏付ける理論である。
いずれにせよ、言語習得についてはいかに乳幼児期〜10歳頃までが重要かに異論を唱える人はないといってよい。前述の『タイム』誌の窓口は5、6歳で閉じてしまうが、環境や学習などによって、それを10歳くらいまで引き延ばせることにも言及している。”
ただOCSNEWSでは、『欧米のバイリンガル研究には、バイリンガルの子供の言語習得が遅れる、論理抽象思考が不完全になるなどの通説は間違い、といった論調のものが多いが、あくまでも、これらの研究は日英のバイリンガルの研究ではないので調査結果をうのみにするのは避けた方が良い』と言っている。つまり、欧米圏の言語は語系を同じくする場合も多く、共通点が多いが、日英語の場合、その差が大きく高度な抽象思考をこなせるまでに習得するには、かなりの学習時間と努力が必要だからだと述べている。
また、「生活言語と学習言語は違うので会話ができるからといって、即、勉強も、とは限らない。幼児期から小学校低学年までの5、6年の現地校生活は、子供によってはかなりのリスクがある」とのNY所在のこどものくに幼稚園園長の談も載せている。
さらに、小野博著『バイリンガルの科学』(講談社ブルーバックス)から、「外国帰りの子供達が、一見日本語も英語も流暢にしゃべって使いこなしているように見えても、読み、書きのテストをすると、どちらの言語も遅れていることが数多く報告されている。」という文を引用しバイリンガルどころか、日本であれば問題なく育ったであろう子供が、無理なバイリンガル環境のため、日本語も英語も中途半端な、いわゆるセミリンガルになってしまう危険性を指摘している。
『タイム』誌2月3日号の「FERTILE MINDS」を原文で読みたい方は、下のURLで!
http://www.pathfinder.com/time/magazine/1997/dom/970203/cover0.html
二言語の習得とアイデンティティー
(海外の小学生のための通信教育だよりより要約)
by トロント大学教授 中島和子
二言語の習得度と「しきい説」
海外子女のように学齢期の途中で学習言語が変わり、1つ以上の言葉に接触して学齢期を過ごす子供達の場合、二つの言語の伸びと子どもの人間形成とは密接な関係があります。二言語の到達度と認知面の発達との関係についてトロント大学のカミンズ教授が「しきい説」という提唱しています。
これは言語の到達度には二つの「しきい」があって、両言語が上の「しきい」を越えた場合は、つまり二言語とも年齢相応のレベルにまで達している場合、相乗的関係になって認知面にプラスの影響があるのですが、、二言語が下の「しきい」を越えない場合、つまり両方とも年齢相応のレベルに達しない場合は、認知面で大きなマイナスがあると言うのです。
二
言
語
の
到
達
度
の
レ
ベ
ル |
二言語の到達度によるタイプ |
知的発達への影響 |
上のしきい
下のしきい |
A.二言語とも年齢相応のレベルまで達している |
プラスの影響 |
B.一言語のみ年齢相応のレベルに達している |
プラスの影響もマイナスの影響もない |
C.二言語とも低い |
マイナスの影響 |
肝心なことは母語が十分に伸びる状況にあれば、バイリンガル環境はプラスこそあれマイナスにはならないのですが、もし母語が伸び悩むという状況になると、どちらの言葉も年齢相応のレベルに達しないため、学習や思考に支障をきたすという深刻な問題になるのです。ですので、幼児、小学生低学年の場合は、しっかり家庭と学校で母語、母文化を守ってやる必要があります。
年少児の母語・母文化離れ
実は母語・母文化が脅かされるため、言葉全体の発達が遅れることがあります。実はこれが少数言語を母語とする子供達の共通の悩みで、現在米国が抱えている教育問題の一つです。「学校教育を早くから始めることが少数言語学童の学力低下の解決になる」というので、ブッシュ政権の下で3才児、4才児の幼稚園教育が始まり、母語離れの時期が早められたのです。このため、言葉の発達全体が遅れる幼児が膨大な数に上りカリフォルニア大学の教授ワング・フィルモアによると、2000年には250万に達するそうです。
同教授は母語で幼稚園教育を受けた子どもと、英語で幼稚園教育を受けたスペイン系子女(650名)を比較研究した結果、母語による幼稚園教育の重要さを強調して次のように言っています。
「子どもの年齢が低ければ低いほど、母語が影響をこうむる。幼稚園時代、つまり5歳以下の子どもの場合、特に、問題がある。この年齢では英語のように社会で重要だとされる言葉の影響に抵抗できるほど、母語が安定していない。英語はステータスの高い言葉であり、社会で広く使われる言葉である。小さい子どもはまだ名声とか社会的地位については何も知らないが、社会に受入られたい、そのメンバーになりたいということには敏感である。英語力なしには、英語の世界に参加できないことを肌で感じとり、それを習得しようとし、その家庭で母語をあきらめてしまうのである。・・・もし受け入れられたければ、彼らは英語を学ばなければならない。なぜならば、だれも彼らの言葉を学ぼうとしないのだから。」
二言語は互いに関係があり、一つの言葉の力は次の言葉の学習の土台になりますから、日本語の力をバネにして英語を強め、英語をバネにして英語を強め、英語をバネにして日本語を強めるという考え方をすれば、現地生まれや長期滞在の子供達も十分に両言語に堪能な子に育ちます。
まず、幼児期は家庭の努力で「日本語が強い」子に、学校生活が始ったら、日本語の力をバネにして「英語が強い」子に、そしてその間日本語の会話力を絶やさないように努力するのです。その後は「英語が強い」「日本語が弱い」という状態がしばらく続きますが、英語力がしっかりしていきたら、今度は英語力をバネにして日本語を強めるのです。一時体験入学や、高校、大学での留学体験も視野に含め、大体20歳代の前半までに両言語が「上のしきい」を越すという、長期的構えで考えたらいいでしょう。
同じ環境でも子どもによって違う言葉の早い遅い
オーストラリア 庄島美香
隠れSHファンでしたが、
最新のバイリンガル教育の記事のことでちょっと一言。”バイリンガルは言葉が遅い”
というタイトルは誤解を受けませんか?言葉の早い遅いは本当に子供によっていろいろで、肝心なことは言葉の早い遅いは学業にまったく関係ないということでしょう。
SHの記事の中にも”アメリカの偉人には言葉の発達の遅い人が多かった”というのがありますよね。わたしの弟も2才半までほとんどしゃべらず親は心配したそうですが、あるころ突然しゃべり出し、おまけに最初からおませな文(単語でなく)だったとのこと。
今は普通のおつむで普通に暮らしています。
現在3才半の娘は1才過ぎで2語文を話し1才半で100語を越え”きみ、日本語うまいねえ”という感じで英語はかなり劣るものの幼稚園では困っていないようです。ところが
2才近くになる息子はやっと2語文すこし混じってきた程度、”言葉より行動”の人です。同じ環境でもこういうように差があります。
というわけで、バイリンガルでも言葉が早い子供はたくさんいますよ。その子にとっての第二言語のほうが第一言語ほどうまくないのが通常とのことです。
ちなみにオーストラリアも移民の多い国で小学生の半数近くが家庭での言語は英語でないそうですがでは、幼稚園などに入るまではその家庭での言語に力を入れるようにと、現在保健所などでは勧めています。
”バイリンガルは言葉が遅い”というタイトルは、子供の言語教育で戸惑っている多くの人に誤解を与えるのではと心配して投稿しました。
バイリンガル育ちは言葉が遅い?