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人生で最初に出会うコーチ、それが親です。コーチ次第で人の歩む道は大きく変ります。

人は常に自分の経験を人と分かち合いたいと切望しています。 それは、大人だけでなく子ども同じで、彼らは今日一日の出来事をいろいろなやり方で分かち合ってくれます。 その分かち合いをどう受け止めるかが子どもの明日への力を育てます。日々のコミュニケーションにおいて親がどう子どもを受け止めるかを親も真摯な気持ちで学ぶことが大切なのではないでしょうか。

 

子どもの心のコーチング―ハートフルコミュニケーション
親にできる66のこと

booksugawara.jpg (1985 バイト)内容(「MARC」データベースより)

いきいきと輝く目をもち、積極的に生活に取り組むような子どもの「生きる力」を開発すると同時に、親がその手助けができるよう親自身の能力開発も行う方法を考える。全国小中学校PTAで引っぱりだこの人気講座をまとめる。

「聞く技術・伝える技術」に続く菅原さんの第3作目

第1章 親の役割は何?(ハートフルコミュニケーションで目指すのは子どもの自立親の役割は子どもを思いのままに動かすこと? ほか)
第2章 子どもに教えたい三つの力(愛すること責任人の役に立つ喜び)
第3章 子どもを幸せにするしつけ(叱ることがしつけではない怒りの自動スイッチをリセットすることから始め
第4章 心を結ぶ聴き方・伝え方(子どもの話を聴くことはサポートの基本人間はそもそも人の話なんて聴いていない ほか)
第5章 親の幸せは自分でつくる(子どもからの自立親からの自立)

By 菅原裕子

こどもの『生きる力を発芽させよう』  『親の生き方』というテーマで2年にわたって執筆していただき大変ご好評をいただいた菅原ゆう子さんの新コーナーです。今回は、実際に会社や学校でのコーチング現場で、寄せられる親子のコミュニケーションに関する様々な質問の中から、頻度の多かったものを具体例として取り上げコーチング・アドバイスをしてくださいます。

 

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《プロフィール》
リーダーシップ、組織開発、コミュニケーションスキル、コーチングのコンサルタントとして述べ3万人以上の研修を全国各地で実施。経営陣から絶大な支持を受ける。また、親や先生に向けた研修「ハートフルコミュニケーション」を開発。最近では各地PTA、地方自治での講演も好評。著書に『聞く技術・伝える技術』(オーエス出版・2001年2月発刊)がある。

文部省認可生涯学習開発財団認定コーチ 労働省認定産業カウンセラー
URL: http://www.ys-comm.co.jp/

 

暴力をふるう子ども


dkobaQL.gif (277 バイト)5歳の男の子が、幼稚園で他の子どもに暴力を振るうと先生から注意を受けました。家でも、よく2歳の妹に意地悪をして突き倒したりします。そのたびに、叱るのですがなかなかやめません。一度は、妹を突き倒したすぐ後で、私が息子に同じことをして「突き倒されるのはいやでしょう」と教えました。そのときは泣きながら分かったというのですが、また同じことの繰り返しです。息子の中には欲求不満がたまっているのでしょうか。どうしたら暴力をふるわなくなりますか。

dkobaAL.gif (229 バイト)まず暴力に暴力を返すというのは効果がありません。効果がないどころか次の暴力を生み出します。まず、親が暴力をふるわないと決めましょう。そして、彼が何故暴力をふるうのかを考えてみましょう。心当たりをひとつづつあげてみてください。

妹が彼の邪魔をした。
妹とのやり取りの中で思いどうりいかなくて暴力に訴える。
とにかく八つ当たりして妹をいじめる。

できれば一度徹底して彼の行動を観察してみてください。おそらく同じような理由で、幼稚園でも暴力をふるうのだと思います。そして、暴力の理由によっても対応の仕方は異なります。妹が邪魔をしてそれに腹を立てて暴力をふるうのなら、暴力はいけないことでもその動機は配慮されるべきです。彼が仕掛けたことではありません。彼の情況を理解し、「困ったわね、○○ちゃんはまだよく分かっていないしね。そんなときはどうしたらいいかしらね」と彼と相談してください。

大切なのは彼と相談する事です。「暴力をふるわずにどうしたら解決できるかしら」と彼と一緒に考えます。思いどおりにいかないので暴力に訴える、というのは言葉でうまく表現できない子どもには良くある事です。暴力はいけないことです。でも、だからと言って暴力をふるう子どもはいけないとはいえません。暴力とそれをふるう子どもを区別してみてください。そして子どもと一緒に、その子が振るう「暴力」について話し合ってください。暴力を使わずに、どうやって子供の欲しいものを手に入れることができるかを話し合います。

5歳になっていれば十分理解します。ただし、一回の会話で全てを理解させようとすると、それそのものが親のストレスになります。度重なる会話が必要でしょう。

もし彼が、単にストレスの発散のために暴力をふるっているとしたら、彼のストレスを解消してやる必要があります。ストレスの原因を考えてみましょう。うるさく言っていませんか?抱きしめてやっていますか?お母さんは機嫌のいい事が多いですか?ストレスのもとさえ退治すれば、彼の暴力はおさまります。

あまりに「いい子」で心配です

dkobaQL.gif (277 バイト)長男小学校2年生は本当にいい子です。弟にも親切で面倒見がよく、まるで弟を育てているのは親である私ではなく、長男であるかのように感じます。近所の子供達にも同じです。現在、私は第三子妊娠中で体も思うように動かず不調が続きますが、長男のお陰で助かっています。

夫ともめた時も、長男は私に本当に優しく接してくれて、嬉しい反面「子どもらしくない」と思うこともあります。

近所のお母さんに、子どもがそれほど聞分けがよく、親の身になって考えたり、行動したりできるはずがない。きっとすごく親に気兼ねをして、ストレスをためている。大きくなってそのストレスが爆発するのが怖い。・・といわれました。長男はおかしいのでしょうか。

最近、子どもの犯罪が増えているので心配です。たしかに、加害者の子どもたちは、「普通のいい子だった」といわれています。

 

dkobaAL.gif (229 バイト)あなたはお子さんを可愛がっていますか?お子さんはお母さんに可愛がられていると感じていますか?答えが「はい」であれば、何も問題はありません。もし答えが「いいえ」であれば、すぐにお母さんの接し方を変えてください。いかに彼が大切な宝物であるか、いかに彼のことが好きかを言葉で伝え、態度で伝えてください。優しくしてくれた時、弟の面倒を見てくれたとき、「えらいわね」とほめるのではなく、「ありがとう」「お母さんはどんなにあなたに助けられているか」「うれしい」と感謝や共感を示します。

良い成績をとりなさいとか、親の言うとおりにしなさいとか親が子どもに多くを求めたり、何らかの理由でお母さんがとても不幸せだったりすると、お母さんを幸せにするために、子どもはいい子を演じる場合があります。でもそれは子どもを観察していればよく分かります。情緒が安定していて、誰にも親切で、本人も幸せそうなら何も心配することはありません。育児は「口を出さずに、目配りを」と言いますが、子どもの状態がどうかには敏感でいてやってください。

周りの無責任な言動に振り回されずに、そんな素晴らしい子どもがあなたのところへ生まれて来てくれたことを喜び、感謝しましょう。

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嘘をつく娘

dkobaQL.gif (277 バイト)6歳の女の子です。私の実の子どもではなく、夫の連れ子です。この子がよく嘘をつきます。ウソをついた時の親としてどのように対応するべきかを悩んでいます。明らかについてはいけないウソの場合もありますが、嫌いなものが食卓にのったときや、やりたくないことがあるときなどもお腹が痛くなったと嘘を言います。それが嘘だとわかるのは、しばらくするとけろっとしていたり、デザートを欲しがったりするからです。娘の嘘にどのように対応すればいいのでしょう。

dkobaAL.gif (229 バイト)人が嘘をつくのには、必ずそれなりの理由があります。嘘をつかずに正直に言うより、嘘をついたほうが上手くいくと思うのです。きっと過去にそのような体験をしてきたのでしょう。自分を守るためのうそもあれば、誰か他の人を守るための嘘もあります。多分お嬢さんの場合は、自分のいやな事を避ける事で、自分を守ろうとしているのでしょう。「彼女が自分を守るため」という観点から見ればその嘘は彼女にとって悪いものではなく、むしろいいものなのです。ところがお母さんの立場にしてみれば、もっと素直になって欲しいと思うのは当然です。いくつかできることを考えてみましょう。

@     あなたの実のお子さんではないという事ですが、お二人の間に信頼関係は作られていると思いますか?実のお子さんでないだけに、遠慮があるのではないでしょうか。彼女の嘘を何とかする以前に、信頼関係を作る努力が重要です。まず、愛情表現を遠慮しないで下さい。彼女を愛している事を言葉で、態度で充分示してやってください。あなたは自分の産んだ子どもでないだけに、きちんとしつけをしなくてはと思うかもしれませんが、彼女にはしつけよりもっと愛される事が必要です。愛されている事に自信をもてば、嘘もつく必要がなくなるかもしれません。とにかくまず心を通わせる努力をして下さい。

彼女と一緒にいることを楽しんでください。お母さんが自分と一緒にいることを楽しんでいると感じる事は、子どもにとって最高の愛情表現として受け取られるでしょう。

A     お嬢さんとの間に信頼関係ができていると思えば、あとは枠組みをきちんと示します。
「嘘はいけない」とするより、嘘をつかなくてもいい環境作りを工夫してみてください。

食卓に乗せるものも献立の相談をお嬢さんとしてはいかがでしょう。その話の中で、何でも食べる重要性を教えることもできます。嫌いなものも食べたくなるような演出も効果的です。同時に嫌なものを食べろ食べろと無理強いするのも良くありません。食卓が楽しくなくなります。それでも嘘をついてお腹が痛いから食べないと言えば、受け入れて「じゃ、もう寝なさい」と布団に入らせて、デザートなどは与えません。叱る必要はありませんから「お腹が痛いときはそれ以上食べないで寝ましょうね」と彼女の嘘に騙されてください。嘘をつくとそれ以後、次ぎの食事時間までひもじい思いをします。

それでいいのです。それが嫌なら本人も考えます。

 

どう叱っていいかわからない

dkobaQL.gif (277 バイト)子どもの叱り方がよく分かりません。近所のお母さん達と子どもを遊ばせていると、子供達が喧嘩したりすると、彼女たちはよく子どもを叱ります。叱るだけならまだしも、平気で叩いたりします。「叩かないと分からないわよ」というのですが、私は出来ればたたきたくはありません。でも、「叱らないと子どもがいい気になるから、小さいうちからきちんと分からせておいた方がいいわよ、それがしつけでしょ。」と仲のいいお母さんに言われて、叱るってどういうことだろうと考えています。夫はあまり気にするなと言います。彼は、ひどく叩くことはなくても、こつくことはよくあります。 

dkobaAL.gif (229 バイト)最近は親が子どものしかり方を知らないとか、きちんとしからないというようなことがよく言われます。つまり子どものしつけがきちんと出来ていないということのようです。

しつけとは何でしょう。しつけは「子どもが自立して幸せに生きることが出来るよう、基本的な生活習慣や社会的マナーを親が子どもに伝える行為」です。ポイントは「子どもの自立」と「幸せ」と「親が子どもに伝える」の3つでしょう。目指すのは子どもの自立であり、そのプロセスで子どもが幸せであることが大切です

そして、もうひとつしつけはあくまで親が子どもに伝える行為であって、叱ったり叩いたりするのは手っ取り早いお手軽な罰でしかありません。しつけは時間がかかります。生まれてから7年から10年の時間が親には与えられています。その時間をうまく使って、じっくり子どもと向き合う事が出来れば、思春期になる頃子どもは自立の準備が完了し、自分の人生に漕ぎ出していきます。

そのために親に出来るしつけは、親の枠組みをはっきりさせることが一番にあげられます。どのような環境で、どのような価値観のもとに子どもを育てるかという基本的な考えです。そしてそれは「規則正しい生活をさせる」とか「健康的な食生活を学ばせる」とか「人と自分を大切にすることを教える」という言葉で表されます。ここでは「人と自分を大切にする」を具体的に子どもにどう教えるかについて考えてみましょう。

@普段から親が子どもを大切にする。これが全ての始まりです。ですから、むやみに叱ったり小言を言いつづけたり、まして叩いたりということはしないほうがいいのです。それをやられた子どもは、人とはそのように扱うものなんだと学びます。

Aもし子どもが遊び友達と喧嘩したりしてもめたら、叱ったりせずその場をうまく治め、後で子どもとよく話します。「お母さんはあなたが○○君をぶつのは好きじゃないわ」とお母さんの気持を伝えます。すると子どもは「だって、○○君ね・・」と子どもなりの事情を話すでしょう。「そうなのね」とよく聞いてあげてください。そして「これからも○○君と遊びたい?」と子どもに選択させ、子どもが「遊びたい」意思表明をしたら「どうしたらぶったりせずに遊べるかな」と子どもに考えさせてください。ただし、喧嘩は悪いことと捉えない方がいいでしょう。子どもは小さな喧嘩をたくさん体験した方がいいのです。そのプロセスで子どもは成長します。

 

中学生の娘が意味不明の行動を


dkobaQL.gif (277 バイト)中学二年になる娘が最近意味不明な行動をとるようになってきました。部屋が異様に散らかっていて、片付けようとしません。着ている物も洗濯に出さず汚いままの物を何日も着ています。食事も家族と一緒にはとらず、自分の部屋に運んでとっています。家を一歩出るとこれまでと変らず、成績の良いいい子のようです。理解できません。


dkobaAL.gif (229 バイト)中学生から高校生にかけては、一人の存在として自立を完成する時期に入っていますから、親にとってもいろいろ訳のわからない行動が多くなる時期ではないでしょうか。彼らは不安定です。ですからいろいろなものの影響を簡単に受けます。親が理解できないと思う以上に、本人も自分のことが理解できていないと思います。子どもの不安定と一緒に、親が理解できないからと不安定にならないようにまず気をつけましょう。親が安定していれば、子どもはその影響を受けるのです。ですから、今までと同じように振舞わせようとしたり、親の安心を求めてうるさく指示命令を出したりしないように気をつけましょう。それは子どもを追い詰め、追い詰められた子どもは自分を閉ざしてしまいます。基本的に今の状態を受け入れることで、絆を保つことができます。
差こそあれ誰でも通る道と考えた方がいいでしょう。「自分にはそんなことはなかった」とか「他の子どもはもっとまともだった」と自分や他との比較もいけません。その子のそのままをまず受け入れましょう。「あなたがどんな状態であれ、私達親はドンと構えて、あなたを受け止めるから何も心配は要らないよ」というメッセージを伝えたいものです。
そして、次によく子どもを観察してください。監視ではありません。子どもの変化によく気づいていることが重要です。そのためには、子どもと話すチャンスがあれば(このころの子はあまり親とはなしたがりませんが)親の考えや思いを伝えようとするのではなく、とにかく子どもの言葉に耳を傾けてください。「そうなんだ」「そんな風に思うのね」など理解を示しながら子どもに話させます。そして子どもが何か不安を訴えたら「大丈夫何があっても守ってあげるから、安心して・・」と力強いメッセージを伝えます。そのとき普通に会話が出来れば何も心配することはありません。時間がたてば安定し、いづれ普段の生活に戻ってきます。話があまりにかみ合わないと感じるようであれば、専門家に相談した方がいいでしょう。専門家のケアによって、子どもが救われることもよくあることです。
いづれにしても、それまでの子どもとの関係が問われるときです。子どもとの関係に自身があり、それまでに子どもをしっかり理解できていると思えれば、その一時のことにあまり振り回されないようにしましょう。親が安定していれば子どもも安心できます。

 

物を欲しがる子ども

dkobaQL.gif (277 バイト)7歳になる息子ですが、小さい時から何かにつけて「あれ買って、これ買って」と玩具などの物を欲しがります。もっと小さなったころはそれほど値の張るものでもなかったので、買ってやっていたのですが、このごろは高価なものを欲しがります。欲しがるものを上手くあきらめさせる方法はあるでしょうか。

 

dkobaAL.gif (229 バイト)何故そんなに物を欲しがるのか考えたことはありますか?心が満たされていれば、それほど物を求めることはありません。彼は満たされない心を、物を持つことで満たそうとしているのではありませんか?ところが、物は物理的に場所を埋めることはあっても、心理的には心を満たすことはありません。与えられた一瞬の興奮は充足感に似たものがあります。その一瞬の興奮を充足感として感じますが、それはその瞬間が終わればそれで終わりです。しばらくするとまた、その興奮を求めて物を欲しがります。

まず、物を買うことに関して、親の枠組みを決めてはいかがでしょう。プレゼントは誕生日等の特別な日と限ります。この次に物をほしがったら「今年の誕生日のプレゼントにしましょうね」と言ってください。純粋にそのものが欲しいのであれば、誕生日まで待つことはできるはずです。ところが欲しいのがそのものではなく、心を満たすこと(親の愛情)であれば、誕生日まで待つのは難しいでしょう。それまで待っていては心が乾いてしまいます。

その場合は、物を買う買わないに関わらず、子どもの心が親の愛情で満たされるよう親の努力が必要です。子どもとのふれあいを持つことが重要です。きちんと子どもと向き合うことが大切です。子どもの話を聞き、親の愛情を伝えるようにして下さい。愛情表現は、プレゼントを通して行われない方がいいのです。

そして、愛情の代わりとしてではなく本当に欲しいものがあれば、値段やどのくらい生活に必要かにもよりますが、お小遣いをためて買わせるというやり方もあります。以前、成人に近い娘がブランドのバックを買って欲しいというが、それをあきらめさせるにはどうしたら言いかと相談を受けました。コミュニケーションの専門である私なら、効果的にあきらめさせる言葉を知っているのではないかと思ったようです。私は「あきらめさせるなんてとんでもない。それは良いアイディアだ!買いなさい、お金をためて買いなさい」と言ってあげなさいと答えました。

子どもが物やお金といい関係を持つように親にはいろいろな工夫が必要です。基本になるのは親自身がそれらとどんな関係を持っているかでしょう。物に対する自制心はあるか、物によって心を満たすのではなく、自分や周りの人への思い、またこれから取り組もうとしている夢、読みたい本、やりたいこと、今夢中になっていることなどで満たしているかどうかです。  

 

 

祖母からの過剰な甘やかし

dkobaQL.gif (277 バイト)私は自宅で仕事をしています。忙しくしている都合で、隣に住む母に子どもの面倒をよく見てもらいます。特に長男(11歳)は学校から帰るとすぐ祖母のところへ行き、夜寝るまで宿題もせず寝転んでテレビを見ています。母はそんな孫に何も言わず、好きなだけおやつを与え、そのせいで食生活も乱れがちです。夕飯はうちに帰って家族と食べるように言うのですが、何もかもが思い通りになる祖母のところがいいらしく、寝るまで帰ってきません。夫は「好きにさせろ」とあまり気にしていないようです。母は孫を甘やかすことしかせず、どうしていいかわかりません。

 

dkobaAL.gif (229 バイト)まず、ご長男の生活習慣の形成に責任をもつのはおばあちゃんではなく親の仕事です。仕事が忙しいからと、安易にお子さんをおばあちゃんのところへ追いやってはいませんか。お子さんは寂しいのではないでしょうか。それはお母さんが忙しいからではなく、自分のことをきちんと見てくれないからではないでしょうか。

まず日常の中で、ご長男を可愛いと思っていることを伝えてください。方法としては、例えば彼が学校から帰る時間に仕事の手を休めて彼とおやつを食べてください。学校であったことに耳を傾けてください。親が彼のことを大切に思っていることが伝わることが大切です。もっとご長男との距離を縮める努力をしてみてください。お母さんが彼を大切に思っている事が伝われば、彼もお母さんに近づこうとしてくれます。お父さんの存在も大切です。お母さんが忙しいのなら、お父さんに時間を作ってもらいましょう。今の状態のまま、お子さんに好きにさせるのはあまり良い選択ではありません。なぜなら彼は今の状態を好きだとは思っていないでしょう。注意を向けてもらいたい親に構われないと、やる気も起こらずテレビの前でごろごろしてしまうのです。お父さんにも協力してもらって、家族の中に「忙しいお母さんを皆で手伝おう」という雰囲気造りをしてはどうでしょう。11歳であれば立派に役立ちます。親と協力して生活する事を教えてやってください。そのためにも彼が愛されていると感じることが最重要です。

おばあちゃんとの関係は、出来ればある程度の距離をおくのが理想です。おばあちゃんは孫が可愛いだけです。そして、上手な可愛がり方を知らないので孫を甘やかしてしまいます。たまに起こる事なら問題はないのですが、それが日常的に頻繁に起こると孫をだめにしてしまいます。正しい生活習慣を身に付けさせる事が難しくなります。

 

 

第三章 娘をことごとく否定する夫

dkobaQL.gif (277 バイト)夫はまるで私や娘を憎んでいるかのような対応をします。例えば、学校で作品を作って家に持って帰っても、私は「よくできたね」といって彼女の努力を認めるのですが、夫はあら捜しばかりをします。先生から良い評価を貰ってきたりすると「このぐらいでいい気になるなよ」などと本当にいやなことを言います。最近娘は、そんな父親に猛然と反抗し、負けずに言い返したりするようになってきました。私に対するそのような態度は仕方がないと何とかやって来ましたが、娘に対する影響を考えると心配です。夫は外ではいい人です。

 

dkobaAL.gif (229 バイト)ご主人からの言葉による虐待を受け入れてしまっているあなたがいるようですね。きちんと話し合ったことはありますか?まず、娘の心配をする前に、あなた自身の態度をはっきりさせることが先です。まず、あなたの態度に夫をそのように駆り立てているような態度はありませんか?彼がイライラしている時、おどおどするあなたが側にいれば彼はあなたに八つ当たりします。彼のイライラを受け止め「何かあったみたいね。聴かせて」と彼の味方になり耳を傾けていますか。それとも、おどおどしたり、彼のイライラから逃げようとはしていませんか。彼を変えようとする前に、まず、あなたの態度を変えることが重要です。夫の態度に対してあきらめや我慢を重ねるだけでは、夫はそれを変えようとはしません。外ではいい人であるということは、家族に対する考え方にどこか歪みがあるのです。それを変えようとすればかなりの覚悟が必要です。覚悟がないまま、夫からの虐待を受けつづけることは子どもに対しても良くありません。例え暴力はなかったとしても、家族を大切に扱わない態度を許すことは子どもを深く傷つけます。毅然とした態度で夫と接してください。お嬢さんがお父さんに反発しているのは当然のことです。あなたも毅然とした態度で接してみてください。離婚しない限りその人とは一生共に暮らします。あなたが勇気を持って、自分を変え、相手が変わることを望まない限り、お子さんはあなたからも離れてしまいます。理不尽な状態を耐えているだけの母親は尊敬に値しないのです。

 

第二章  とにかく機嫌の悪い娘

dkobaQL.gif (277 バイト)5歳の娘がとにかく手のかかる子で毎日大変です。上の息子は気に入らないことがあっても「ごめんね、ママが悪かったわ」と話せば分かってくれるのですが、娘はそうはいきません。いつまでもぐずぐず言い、気分を切り替えることがありません。一度怒るとずっとうるさく絡んでくるので、家族全員が娘の気分を害さないよう気をつけてくたくたです。

 

dkobaAL.gif (229 バイト)神経質で粘着気質のお子さんのようですね。そういう子どもは人一倍親の愛情を感じる必要があるかもしれません。お子さんが過敏になっているときに、親がくたびれて、内心「いやだな」と思っているとそれが伝わってしまいます。ここは親の「しょうがないな」と受け入れる気持を発揮することが大切でしょう。親がどこまでゆったりと彼女の状態を受け入れるかへのチャレンジですね。親が人として、親として成長するチャンスを与えられたと取り組んでください。たっぷり愛情を与えられれば、時期がくれば彼女は変わります。「手のかかる私をそれでも親は愛してくれた」と感謝してくれる日が必ずきます。愛情でもって基礎を固められた子どもは、ある時期が来てからは楽に自立することができます。「これがいつまで続くのか」と思うと辛いですから、一日一日を区切りをつけて終えていくようにしてはどうでしょう。「今日は一日無事に終わった。明日はまた別の日」

まず、彼女が話しているときは、目を見てうなずきながらたっぷり聞いてあげてください。

また、膝に座らせるなどスキンシップしながらと言うのも効果的です。ここで面倒だからと早く切り上げようとすると余計に絡んできます。結果として余計に時間がかかってしまいます。絡んでくる時は、やはり優しく目線を合わせて「どうしてほしいの」と問いかけてください。彼女の要求が理不尽なものである時は、そのときも優しく目を見て「それは出来ない」と伝えてください。彼女は騒ぐかもしれません。かっとしないように。静かに側にいてやってください。そして選択を見せてください。5歳なら分かります。「4時を過ぎたからおやつを上げられないけど、あなたはどっちがいい?このまま泣いているのとお母さんとお買い物に行くのと」質問したら、彼女が選ぶまでちょっとの間我慢して付き合ってください。ここで面倒だからと早く切り上げようとするとただ絡んできます。

また、必要以上にお子さんの機嫌を取らないように気をつけてください。機嫌を取ってもらって育った子はずっとそれを必要とします。機嫌を取る代わりにきちんと向き合ってあげてください。

 

第1章 子どもがキレた!

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小学校四年の息子のことで担任の先生に呼び出されました。そしてとても意外なことを聞かされました。息子がときに手におえないというのです。クラスメートのちょっとした言葉にすぐに腹を立てて、手にもっているものを振り回してとても危険を感じることがあるとのこと。成績はよく、家ではおとなしい聞分けのいい子です。

dkobaAL.gif (229 バイト)お子さんの中にイライラがたまっているのではないでしょうか。まず、お子さんはたくさん愛されて、大切にされ、いつでも甘えられる環境で育っていますか?お父さんやお母さんは彼の話をよく聞いてやっていますか。彼に対して過剰な期待を押し付けたりはしていませんか?あるいは家族間で人間関係に問題があるということはないでしょうか。

重要なことは子どもが愛されていることを肌で感じていることです。そうすることで子供の自己肯定感を育てることが出来ます。自己肯定感というのは、自分の存在を大切だと思う気持ちです。自分が好きだと言う気持ちです。生きていくためには最も重要な感情です。

赤ちゃんの頃から充分なスキンシップと言葉による愛情表現の中で育ってきた子どもは、自己肯定観を持っていますから精神的に安定しており、ちょっとしたことで腹をたててキレたりすることはありません。また、自己肯定感の高い子は、自分を大切にすると同時に人も大切にしますから、ものを振り回してまわりを危険なめにあわせることもありません。

まず、親が素直になってお子さんの生活環境を評価してみてください。親の「こうあるべき」という期待を基準にするのではなく、お子さんが毎日を活き活きと生活できるかという目線で評価してみましょう。そして、イライラのもととなるものがあればそれを取り除いてあげてください。そして、とにかく可愛がることです。自己肯定感は人が生きる上で、全てに優先されるべきものです。いい子であることより、成績の良い優秀な子であることより先に、自己肯定感を育ててあげることが重要です。自己肯定感の高い子ほど、本当に優秀な良い子に育ちます。

 

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聞く技術・伝える技術

「聞き」上手は、仕事上手。
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菅原 裕子 (著)

価格(税別): ¥1,400

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